暁 〜小説投稿サイト〜
神葬世界×ゴスペル・デイ
第一物語・後半-日来独立編-
第七十四章 終息へ向かう時《2》
[4/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初
よ」
「繁真先輩が日来長が助けに来てくれる、て言ってたっすよ」
「へえ、優しいもんだなあ」
 会話しているうちに、日来の長は着地の準備を行っていた。
 着地の仕方は玄次郎とは違い、お得意の流魔操作によって弾力のある立体物を五人がいる甲板上に創り、立体物のなかへと飛び込んだ。
 立体物はセーランがぶつかるや、上手い具合に身体全体を包み込み、貫通してしまう前に速度を落としていった。
 止まったと同時に立体物は流魔へと還っていき、形を崩した。
 ふう、と息を吐くセーラン。
「こりゃあこりゃあ、見慣れない顔が二人も増えて。勘違いすんなよ、戦いに来たわけじゃねえ。そこで傷付いて倒れてる学勢助けに来たんだ」
 戦意が無いことを両手を上げ証明しながら、黄森勢へと近付いていく。
 この場で傷付いている学勢は清継だけであるため、自然と皆は清継へと視線を向けた。
 痛みからか度々唸るような声が漏れている。
「情け感謝する」
「お前が天桜長らしいな、別に感謝なんていらねえよ。俺がしたいからすんだしな」
 央信の言葉から始まった長同士の会話。
 話しに他の者は割り込むことはせず、耳を傾けて聞いているのみだ。
 間近で見ると奏鳴よりも少し背丈は高く、長くて光沢を放つ黒髪は育ちの良さを感じさせた。
 目尻は鋭く、常に相手を睨み付けるかのようで、気楽に目線を顔へ向けることが出来無い。
 本人を間近に見ての感想だ。
 百聞は一見にしかず、ということわざの意味を身をもって体感したセーランは言葉を続け。
「何がお前をそこまで動かすのか分からねえけど、大切なもん奪っていくことが今後あるなら今日みたいに首突っ込んで来るからな」
「ふ、いい度胸だ。神州瑞穂のため、と言っても信じる気は無さそうだな」
「信じるかどうかはさて置き、今回の件はあんまりにも酷過ぎる。一方的に事を進めてもいい結果は生まないぞ」
「変化に付いていけない者に構ってやれる程黄森は優しくはないし時間も無い」
 言葉を交えながらセーランは清継の元へ。
 邪魔だと思ったのか離れようとした繁真を止めるように掌を見せ、平気だと合図を送る。
 膝を曲げ、具合を伺いながらも会話は続く。
「誰にも理解されないまま神州瑞穂のために戦っても周りの反感を買うだけだ」
「日来は独立のために世界を相手にするらしいな。言うならばそれは自分達だけで理解し、他人には理解させない。同じだと思うがな」
「世界を相手にするのは、崩壊進行を目の前にしてもお互いに手を取ろうとしない世界への反抗だ。日来独立は奥州四圏からの人形状態を打破するだけだ」
 意識はある。
 痛みを堪える声が聞こえ、身体を動かすのは止めておいた方がいい。
 吐血の後はあるが付いた血は拭き取られていた。
 一度、黄森の長との会話を中断し、
[8]前話 [1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ