第五章 StrikerS編
第百七十二話 『外伝20 海上隔離施設の人々のその後』
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作ったものの責任として一度診ておきたいから」
「わかりました。それでは個室を用意しますね。ランにレン君はどうする……?」
それで黙って成り行きを見守っていたランとレンの二人は笑みを浮かべて、
「それじゃ私達は先に彼女達と会っておきます」
「うん。トレディともお話したいですし……」
「そう……。レン君はトレディにご執心よね」
それでギンガの目つきが少し鋭くなる。
それに対してレンは「あれ? 僕、なにか変なこと言った……?」と小声でランに相談し、ランには「あんたも鈍感だよね」と返しているのであった。
もしここにゲンヤがいれば「おい、ボーズ?」とか怖い笑みで肩に手を置かれてさらに妙に力が込められながらどやされていたに違いない。というかあの親バカなら普通にやりかねない……。
それはともかくとしてランとレンは先にナンバーズのみんなに会いに行った。
それとは別にシホはどこか別の部屋でゼストと面会を受けることになった。
部屋に通されてシホはゼストが入ってくるのを待つ。
しばらくしてゼストが部屋に入ってきた。
そこには寡黙な表情ながらも少しばかり緊張しているのか表情筋が引きつっているゼストがいた。
「……シュバインオーグ一尉」
「ゼストさん、ですね」
「こうして会うのは、初めてだな……」
「ええ……」
二人してこうして初めて会うもの同士、緊張もあるのだろう、どう切り出していいのか分からずに少し沈黙が降りる。
しかしいつまでもこうしてはいられないとシホが切り出そうと口を開きかけるが、それより早くゼストがシホに向かって頭を下げる。
「八神士郎二尉から聞いている。まずはお礼をさせてくれ。俺のこの体を、命を救ってくれて感謝する。シュバインオーグ一尉」
「気にしないでください。私はとある理想をかつて心がけてただ人助けを昔からしてきたもので、少しでも救える命があるならと知識にある薬を作ったわけで、使ってもらえるなら薬も幸せでしょう。私もゼストさんを助けることができたことが嬉しいですし……」
「昔から人助けか……。君のその知識というのも興味を持たされるが、よかったらでいいが君のかつて志していたという理想である正義を聞かせてくれないか?」
ゼストのその問い……。
それは、シホの過去に問いかけるものであった。
衛宮切嗣の理想を受け継ぎ、この世界に来る前まで志していた『すべてを救う正義の味方』という自身の生き方の一つだったもの。
それをここで話していいものか、いや、とシホはかぶりを振り、隠す必要などないと素直に話すことにした。
「……私はかつて、養父のかざしていた理想である『すべてを救う正義の味方』を志していました」
「正義の味方、か……」
「はい。私の経歴はご存知ですか……?」
「
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