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少年少女の戦極時代U
禁断の果実編
第85話 奪われた友
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 言いながらDFロッドでインベスを殴りつけた。一般人が多いこの場でDFボムは使えない。

 鎧武とバロンもまた、無双セイバーやソニックアローでインベスに斬りつけて蹴飛ばし、トモの家の門下生を逃がしていた。

(3人がかりでも、人をたすけながらって、けっこーしんどい……かも!)

 月花はDFバトンをインベスに突き出し、また1体のインベスから門下生を解放した。

「きゃあああっ」
『トモ!?』

 気づけば、屋敷の陰から低級インベスに引きずり出されるトモの姿があった。

『このっ……かえせえ!』

 DFロッドを二つに分けてバトンに戻し、インベスに殴りかかろうとした。だが、トモを抱えていることもあり、上手く攻撃をくり出せない。

「わたしはいいから! 咲! うちの人、おねがい!」
『できない!』
「できる! あなたリーダーでしょ!?」

 ぐ、とトモの言葉に踏み止まった。
 周りではトモのように今にも攫われそうな門下生や家人。

『〜〜っだああああ!!』

 月花は叫びでトモだけを助けたいわがままを殺し、インベスにDFバトンで殴りかかった。





 粗方のインベスが片付いたところで、月花は周りを見回す。
 ――トモはいなかった。連れて行かれてしまった。

 自分で自分を殴りたかった。
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