第百一話
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シャ」
「大丈夫、皆どんどん神獣を狩っていますよ」
「加護の力も使いこなしている。心配する必要はないだろう」
「それはよかった」
そう言いながら、俺達はヒルコへと向き直る。
俺は、両手にゲイ・ボルグにブリューナクの二振りを構えて。
アテは、自分の狂気が宿った聖槍を構えて。
ナーシャは、俺の権能である忘れ去られた雷神の雷鎚を構えて。
「俺一人でお前を・・・太陽、海、蛇、幸運、鋼。このほかにも様々な属性を持つ超高位ハイブリットを倒すのは、少しばかり難しい。だから、こっちは三人で行かせてもらうぞ」
「はっはっは!良い、良いぞ神代武双!神殺しにまつろわぬ神、神祖が絆を持って共闘するとは!心躍るではないか!」
そう言いながら、ヒルコは草薙の剣を頭上に掲げる。
「お誂え向きにも、この地には今神殺しが三人もおる!オレも切り札を切らせてもらおう!」
そして、ヒルコは真言を唱える。
孫悟空の事件の後、護堂から聞いた話・・・最源流の鋼が使うことができる技。あれを、使うつもりなのだろう。
「貪狼、巨門、録存、文曲、廉貞、武曲、破軍!北天の七星よ、霊験かくあれかし!」
天地から、星々から俺達神殺しを滅するための秘奥を。
「蛇よ、竜よ、血と骸を我に捧げよ。焔よ、鉄を灼いて鋼と成せ。鎚よ、鋼を打ち、刃と成さしめよ。清冽なる水よ、刃を冷やせ!全ては我が剣神の性を高めるために!」
蛇、竜の死骸は、俺がこの地で殺した二柱の神、オオナマズと玉龍が死に、砂となったものが集まってきた。たぶん、あれは漂っていた神気が集まり、俺達の目にも見えるようになったものだろう。さらには、ヒルコ自身が持つ蛇の属性も含まれていると考えていいだろう。
焔は、ヒルコ自身が持つ太陽神の属性を持って、あいつ自身の体から出てきて焼いて行った。
水は、ヒルコの持つ海の神の属性が海の水を集め、あいつ自身を冷やしていく。
刀を、剣を鍛える課程を、自分自身の属性ですべて賄う。あいつは、自分の属性だけで一つの蛇の属性を作り出したのだ!
最後の真言は、直接は俺の耳には聞こえてこなかった。だがしかし、確かにこう言ったというのがなぜか分かった。
――――オレが討つのは魔王ども。オレが切り裂くのは羅刹ども。須賀の王・ヒルコはこれより修羅に入り、破邪顕聖の御劍とならん!
ヒルコは、剣神としての使命を再確認し、古き盟約への批准を表明した。
そして、大いなる力があいつの心身を満たす!
『ゆくぞ、神代武双とその親族よ!』
「オウ、来いよヒルコ!俺達三人で、お前を葬る!」
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