第百一話
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残りは、『知に富む偉大なる者』、『火の知恵者の仕掛け』、『破壊者』。
残りは、使うタイミングを考えて使わないとな。切り札級だし。
「どうだ、ヒルコ?」
「数に富んでいる分、様々なことができるのだな!面白いぞ!」
「そいつはどうも!緑よ、芽生えよ!」
高笑いしているところに向けて、植物で拘束しにかかる。
「これでどうにかなると思っているのか!」
「一切思っちゃいねえよ!変幻せよ!」
そして、ヒルコがよけて回っている植物を鎖へ変幻させ、そのまま追わせる。
舞台袖の大役者は、その姿を変えさせ、存在へと新たな属性を加えることができる権能。そこに鋼の鎖という属性が加わるだけで、植物ではなくなるというわけではない。
さらに動くスピードを上げてヒルコを一瞬拘束し、
「全ての水よ、我が敵を貫け!」
海水でヒルコを攻撃する。
とはいえ、相手が鋼の神だからそこまでのダメージは期待できない。事実、海水はほとんどダメージを与えずに弾かれた。
そして、先ほどの鎖が砕け散ったので、念のために鎖をまた作り出して待機させる。
「・・・鋼の弱点は超高温の熱、なんだけど・・・」
該当するであろう権能は、全なる終王くらい。これで何とかするのも手だけど、それだけの隙を作り出せる相手でもない。
「嵐よ、吹き荒れろ!」
と、考え事をしていたら再び暴風が振るわれたので、
「我は今ここに、全ての条件を満たした。技の知を知り、業の源に触れ、その技をこの身で受けた。故に、今ここにこの力を振るわん!」
濡れ皿の怪力で得た怪力で踏ん張りを利かせながら、言霊を唱える。
「嵐よ・・・吹き荒れろ!」
そのまま俺も暴風を振るい、ぶつけあわせることでさらに被害を拡大させる。でも、俺への被害は減った!
「ほう、面白い力を持っているのだな、神殺しよ!」
「切り札の一つだよ!この暴風、スサノオの神格によるものだな!」
最後の語り。この神・・・ヒルコがなぜ、最源流の鋼たるのか。それを語るとしようか。
とはいえ、これも大して長くなる話ではない。ただ一番最初のヒルコの形により近い、最も古いヒルコについて語るだけの話だ。
「お前という神が棄てられた物語。これが出来上がるには、お前という神が海へと流される物語が元から存在していなければならない」
神話を書き換えるにしても不自然すぎては民の間で定着することはない。たとえどれだけゆっくりと、時間をかけて神話が書き換えられたとしても、違和感がありすぎては意味ないのだ。
だからこそ、棄てられた物語において最も重要な要素。海に流れ
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