派遣社員になった訳だが……どうしよう
23話
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
、一応持ってけ、ほら」
紙袋に入れてある花束から何本か抜いて、アリサに手渡す。
「いえ、私は……」
「いいから、親に供えないなら他の誰かにでも供えてやってくれ。その位構わないだろ?」
「……分かりました」
渋々ながらアリサは花を受け取りると、俺から視線を外して静かに目を閉じた。恐らく、両親じゃない他の誰かを思い浮かべているんだろう。
こう、俺の前にあの時の被害者がいるというのは何とも言えない感じだ。
生きててくれてありがとうと感謝するべきか、君しか生き残らせれずすまないと謝るべきか……いや、両方だな。
「それにしてもマキナ少尉はおじさんみたいな事を言いますね?」
……なんだって?
おじさんみたいな?
……ああ、ここでもか。
「おじさんみたいねぇ……なぁ、お前は幾つに見える?」
「えっ……私より少し年上だから……18歳?」
ああ……うん、もうそれでいいや。
身長か、やはり身長が問題なのか!!
せめて、20と言ってくれれば救いもあっただろうに。
いい加減実年齢の遥か下扱いされるのは慣れたが、流石に18扱いはキツい。
実年齢の半分以下は想定外だ。
大体、この世界はどいつもこいつも身長が高すぎるんだよ!!
「本当はいくつなんですか?」
「ん、いや、18でいいよ。うん、色々とどうでも良くなったから」
「ごめんなさい、まさか年下だなんて……」
この娘は喧嘩でも売ってんのか?
その後、俺の年齢をしつこく聞くアリサを無視して墓地についた俺は、遺体もなく個人の名前すら彫られず家族単位でしか彫られていない墓標に手を合わせる。
家名を彫ることしか出来ないほどにあの時の死者は多かったってことなんだが、その責任の一端は俺にあるんだろう。
それは詫びてどうにかなるものでもないというのは分かっている、がそれでもここで手を合わせる位は許して欲しい。
あなた達を助けられなかった分、今度こそ俺の手の届く範囲の全てを守ろう。それが俺にできるであろう償いで、あなた達に誓うべき事なのだろう。
「私が戦えていたら……こんな事にはならなかったのに……」
そんな静かなアリサの呟きが俺の耳に響いた。
それに対して俺は何も言えない、アリサが仮に今のような力を持ってあの場にいたとしても何も変わらなかった、と言えるのは全てを助けられた奴だけだ。
この少女の呟きは俺の背負うべき言葉だろうし、こんな言葉を言わせずに済むようにするのが俺の仕事だったんだ。
だからこそ、俺は立ち止まっちゃならない。
その為にもイザナミを止める。
きっと、あいつを本当に止められるのは俺だけだろう。それにあいつと俺の問題なんだ、他のやつに譲るつもりもない。
それに機械仕掛けの天使(デウス・エクス・マキナ)を名乗っているんだ、絵に描いたようなハッピーエンドにするのは俺
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ