暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
姫君-アンリエッタ-
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あ、いいんだよ。ご禁制だって話だったもんな。それだったら信じられなくても仕方ないよ」
 だから気にしないでくれとサイトはシエスタに言った。惚れ薬のことを信じ、そして謝ってくれた。ルイズだって無事に元に戻ってくれたし、それで十分だった。
「でも、それでも私の気が…」
「そんなに気にやまなくたっていいんだよシエスタ。それよりちょっと聞きたいことがあるんだけど…」
「は、はい。私にお応えできる範囲なら何でも」
 二人は学院の廊下を歩きながら話した。たった一日ぶりなのに、一度でも突っぱねたせいか、シエスタにはサイトと会話しなかった其の一日が長く感じた。
「アンリエッタ姫って、一体どんな人なんだ?」
「美人で気品のある方で、なおかつ平民や貴族に対しても分け隔てなく接するお方で、貴族平民関係なしに国民の皆からとても人気があるんです。はぁ、私も一度お目にかかりたいなぁ…」
 シエスタはため息を漏らしながら、今話したアンリエッタと言う姫への憧れを漏らす。
「へえ…」
 やっぱりお姫様なだけあって美人でたくさんの人たちから好かれるような魅力の持ち主のようだ。そこらへんはファンタジーらしいな、とサイトは思った。




 一方、学院へと向かう馬車があった。馬車にはトリステイン王家の紋章が刻まれ、周囲にはその馬車を守るために、たくさんの衛士たちがグリフォンや馬に乗って厳重な警戒体制をとっている。
 RPGなどでその存在を見せることのある、角を生やした馬の姿をした幻獣ユニコーンに引っ張られるその馬車の中で、ゲルマニアから帰国中の王女アンリエッタが座っていた。
 白いドレスに上品な紫のマントを羽織り、上品なティアラや装飾品を身に着け、指には青い宝石のはまった指輪をつけている。それらは、すでにアンリエッタが持っている高貴な気配をさらに底上げしていた。そんな彼女の手には先に水石の水晶の杖が握られている。王族であるが故当然彼女もメイジ…それも水のトライアングルメイジである。
「ここは静かなのね。小鳥のさえずりが聞こえてくる。
まぁ!美しい花も咲いているわ!川の水もとっても綺麗」
 対して彼女の隣に座っている壮年の白髪の男は、現在この国の政治を一手に握るマザリーニ枢機卿。堅苦しい表情を、出発時からずっとぶっ通している。
「姫殿下。カーテンを下ろして奥へお座りください、身を乗り出すなど王女のすることではございません。常に国と政治を頭に入れておいていただきたい。そのようなお姿を嫁ぎ先のゲルマニア皇帝にお見せしたらどう思われることか…」
 アンリエッタの父である先王が亡くなり、威張るだけの貴族が国費を削って贅沢を繰り返すことが目立ち、それ故に平民や下級貴族たちの生活が苦しくなる国。そんな国を滅ぼさせないために老骨に鞭を打ち続けるマザリーニ枢機卿。自分はお
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