姫君-アンリエッタ-
[6/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
がらも言った。
「ありがとう」
「え?」
キョトンとするギーシュ。すると、彼女はギーシュにお礼を言った理由を告げた。
「あの黒いウルトラマンが襲ってきた時、あなたは逃げずに私をかばったじゃない。だから…」
「はは!当然じゃないか。言っただろう、僕は君のナイトなんだ」
最後までキザったらしかった。だが、その時のギーシュは見かけだけじゃなく、下心なく大切に思った者を守る真のナイトだった。
思わずドキッとしてしまったモンモランシー。しかし一方で…。
(…だったらこうなる前に浮気なんてしないでよ、馬鹿…)
などと心の中で呟いていた。
翌日の魔法学院。サイトの朝はルイズよりも早くなくてはならない。寝る時だけ血圧の低いせいか、ルイズは誰かに起こしてもらわないと寝起きする時間が遅くなる傾向にある。だからサイトが慣れない早起きを繰り返しては起こしてもらう。ルイズ曰く、従者が主を起こすのは当たり前だというが…使い魔はあくまでパートナー的存在。ルイズがご主人様なのは確かだが、早起きくらいは自分でできるようになってほしいものだ。そう思いながらもサイトは、ルイズの溜めた洗濯物を届けに向かった。
この日は、このトリステイン王国の姫君『アンリエッタ王女』が来訪すると言う。だからその日の授業は全て中止となり、学院の生徒・教員総出で出迎えることになった。
「お姫様かぁ…」
一体どんな人なのだろうか。何となくサイトは、ゼロに聞いてみた。
「なあゼロ、お姫様ってどんな人だと思うよ?」
『なんで俺に聞くんだよ』
「なんとなく」
『…敢えて言うなら、姫ってのはお淑やかなのが普通だろうが、意外と行動派な奴とかいるんじゃないのか?ユリアンみたいに』
ユリアンという単語を聞いて、サイトは幼いころに見た子供向けのウルトラマンの特集冊子の内容を思い出してみる。
「ユリアンって確か、80と一緒に戦った、ウルトラの母以外では初めての女性ウルトラマンだったな…って、ユリアンって光の国の王女だったの!?」
『知らねえのか?』
地球人はウルトラマンについて強い関心があるから知っていると思ったのか、ゼロは意外とこぼした。
「いやいや聞いたことないし」
「聞いたことないって…サイトさん、アンリエッタ様のことを知らないんですか?」
サイトは声をかけられ、振り返ってみる。そこには、惚れ薬を服用したルイズから甘えられて以来、口を利いてくれなかったシエスタがそこにいた。
「あの…すみません、昨日は冷たくしちゃって…」
自分から突っ放すようなことを言っておきながら気軽に話しかけた自分を恥じて、彼女はサイトに頭を下げた。
「昨日、サイトさんのことがどうも気になってミスタ・グラモンにお尋ねしたら、惚れ薬のこと、本当だったんですね。なのに…」
「
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ