姫君-アンリエッタ-
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。まだ惚れ薬の効果があった夜、このキスマークはルイズに深く刻みつけられたものだ。
結局、サイトの数十分間にも及ぶ絶叫が魔法学院中に轟いたのだった。
しばらくお待ちください…。(鉄琴の音)
「気は…済んだかい?」
ルイズの罰と言う名の暴力フィーバーが終わったところでギーシュが恐る恐る、呼吸を荒げながら横で体中に痣を作ってうつぶせに倒れているサイトを見下ろすルイズに話しかける。
「はぁーっ、はぁーっ…」
ギロリ!と肉食猛獣のような目で睨み返してきたルイズに、ギーシュは思わずひっ!と悲鳴を上げた。
「る、ルイズ…流石にやりすぎじゃない?」
モンモランシーも正直、あのゼロのルイズ呼ばわりされていた彼女とは打って変った恐ろしさに恐れを抱いていたが、これでは同じ貴族としてもクラスメートとしても目も当てられない展開になりかねない予感がしたので、その辺で打ち止めにすることを勧めた。
だが、ルイズはどうも機嫌が直っているように見えない。何かの拍子でいつ炊きつくのかもわからないほど。まさに歩く爆弾である。と、ここでギーシュが一つある機転を見せた。
「そうだ!明日はアンリエッタ姫様がこの魔法学院に来訪なさると言う話ではないか!今日はもう部屋に戻って休むとしよう!」
アンリエッタ、と聞いてルイズがピクッと反応を示した。彼女の纏うドス黒い瘴気も霧散している。モンモランシーはそのギーシュの発言に対して、思わず感心してしまった。ギーシュの癖にナイスなことをしでかしたと。
「そ、そうだったわ!明日はアンリエッタ様が学院に来られる日だったのよ!私としたことがすっかり忘れてたわ!」
ルイズはそのことをすっかり思い出すと、さっきまでかなり逆上しきっていた顔は消え去り、すっかりかわいげのある慌てっぷりを見せていた。しかし、それでもサイトへの接し方は相変わらずだった。
「ほら馬鹿犬!いつまで寝てるの!さっさと部屋にもどって明日の姫殿下のご来訪に備えるのよ!」
ずるずると、サイトのパーカーの帽子を掴んで倒れたままのサイトを引きずって行った。
「…心配ね」
モンモランシーが困り顔で、去りゆく二人を見てそう呟いた。
人間がウルトラマンに変身した、そして黒いウルトラマンが現れ、自分たちを襲った。ルイズが惚れ薬の効力を消した途端の暴走。
二人はこの日は驚くことばかりですごく疲れた。明日はこの国の象徴たる存在、アンリエッタ姫の記念すべき来訪。早く寝て明日に備えるとしよう。そう思ってギーシュはモンモランシーの部屋から出ようとドアノブに手をかけると、モンモランシーが引き留めてきた。
「ギーシュ」
「…?なんだい、モンモランシー」
「その…」
モンモランシーは妙に頬を染めながらギーシュから視線をそらしつつ、恥ずかしそうにしな
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