姫君-アンリエッタ-
[4/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
者のウルトラマンまで現れたってことは、ウルトラマンも私たちの味方でいてくれるほど都合がいい存在じゃないということね…」
モンモランシーもあのファウストという強烈な存在のせいか、ウルトラマンと言う存在について懐疑的な思いを抱く。サイトはそれを見てあのファウストという奴に、怒りを覚えた。サイトにとってウルトラマンとは憧れのヒーロー。それを穢すようなババルウ星人やザラブ星人のような侵略者は大嫌いだった。ましてや、ファウストも彼らとは違って本物のウルトラマンだが、そんなウルトラマンの面汚し同前のことをしたあいつを許し難く思っていた。
今回、シュウの変身したウルトラマン…自分が『ネクサス』と命名した彼に負けて逃げて行ったが、次に会ったら絶対に倒してやる!
『サイト、お前が戦うわけじゃないんだぜ。やるのはあくまで「俺!」だからな』
サイトが今何を思っているのかを読み取ったゼロが勘違いするなと言わんばかりに言ってきた。…確かに、結局変身しているときは主にゼロの意思で体が動いてるから、器である自分はただ見ているだけが基本。いくら同化していると言っても、俺はゼロ自身じゃない。…なんか情けなく思えてきた。思えば、俺は結局何もしていない。最初からずっとゼロに戦闘を任せてきた。俺の手で守ってきた命って、あっただろうか…。サイトは自身の左手に刻まれたガンダールヴのルーンを眺める。
「そういや…あいつのルーン…」
ふと、デルフが鞘から顔を出してきた。何かを憂いているのか、声にあまりいつものお調子者臭い感じが漂わない。ルーンと言えば、確かにシュウ=ウルトラマンネクサスの胸のエナジーコアの上に、紅色のルーンが輝いていた。それも、自分の持つガンダールヴのルーンを、非常によく似ていたこともかなり気になる。
「デルフ、何か知ってるのか?」
「…」
サイトに尋ねられたデルフだが、なぜかここに来て、ただの物のように黙り込んた。
「デルフ?」
「あ、ああ…いや、わかんねえ…俺っちも万能じゃねえからな」
相棒に名前を呼ばれ、我に返ったデルフはそう言ってごまかすように返答した。
「何よ、思わせぶりなこと言ってる割に何もないなんて」
ルイズがそんなデルフにため息を漏らす。
主人公とよく似た能力を持つ謎の男…なんて漫画ではよくありそうな展開だろうと、非現実的なパターンに呆れつつも、サイトはシュウのことを思い出す。
(…多分、また会うことになるのは間違いないな。寧ろ会わないままになるのがおかしいくらいに…)
モンモランシーがふと、サイトの首筋に赤い何かが刻まれているのを見つけた。
「あ、首筋にキスマーク…」
ルイズはそれを聞いた途端、急に血相を変えてサイトを無理やり引っ張って首筋を見る。目元に影を作ってわなわなと震え始めた。やばい…肌でサイトははっきり思った
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ