月光校庭のエクスカリバー
第42話
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入る。
警戒して周囲を窺うが相手は3人だけしか見当たらない。他の堕天使どころかはぐれ悪魔祓いすら見当たらない。
「コカビエル。貴様が盗んだ三本の聖剣、返してもらうぞ」
「聖剣使いが二人に悪魔が一人か。実につまらん。天使の一人も寄越さないとは」
「教会を愚弄する気なの?」
「ああ、してやるとも。それで戦争が再開されるならいくらでも愚弄してやろう」
「つまり貴様の本当の目的は戦争を起こすことか」
「そういうことだ。エクスカリバーを俺が盗んだとなればミカエルが仕掛けてくると思ったんだが寄越したのは雑魚ばかり。期待外れも甚だしい」
「それが堕天使の選択と言う事ね」
「いや。これは俺の望みだ。アザゼルもシェムハザも消極的だからな。だが起きてしまえば動かざる負えないだろう」
「悪いがそうなる前に止めさせてもらおうか」
「次の段階まで少し時間があるから付き合ってやろう。ついでに貴様らの持つ聖剣も奪えばミカエルも重い腰を上げるだろう」
五対十翼の翼を広げコカビエルは天井から出て、二人もそれを追う。
僕はそれを気にせずにバルパー達と対峙する。
「バルパーッ!!」
僕はバルパーを射殺すような目で睨みつける。フリードが居なければすでに斬りかかっていただろう。
「ふむ。私は悪魔にその様な目を向けられる理由に心当たりがないのだがね」
「僕は聖剣計画の生き残り。いや、死んで悪魔に転生した者だ」
「なるほど、あの時の被験者か。このような極東の地で会うとはな。いや、礼を言おう。君たちのお蔭で研究は完成した」
研究が完成した?
「どういうことだ!?僕たちを処分したじゃないか!?」
そうだ。あの時研究員たちは要済みだと言って毒ガスを巻いた。同士たちに適合できた者はおらず、誰一人残らず殺されたはずだ。
「私は聖剣や聖剣使いについて研究して行く内に、聖剣を使用するのに必要な因子の存在に気付いた。そして集めた被験者の少年少女の適性数値を調べた。全員が多少なれど持ち合わせていたが、エクスカリバーを扱うには不十分だった。だから私はこう思ったのだよ。『因子だけを抜き取り集めることはできないか』とね」
バルパーの話を聞いた僕はあの時の真実にたどり着く。
「つまり、あの時僕たちが殺されたのは適合できなかったからじゃなく・・・」
「そう。因子を抜き出すためだ。そしてその因子を結晶化したものがこれだ」
バルパーが懐から光り輝く球体をを取り出した。
「・・・どうしてそれほど命を弄べる・・・」
怒りに震えながら言う。
「私は聖剣が大好きでね。幼少の頃からエクスカリバーの伝記には心が躍った。だから自分にその適性がないと知った時は心底絶望したものさ。故に扱える者に憧れ、扱える者を作り出す研究に没頭した」
「つまり自分の欲望のために同士
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