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我が剣は愛する者の為に
運命という名の縁
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己紹介をする。

「俺は関忠。
 字は統だ。」

「私は曹操、字は孟徳。」

うん、まぁ、そんな感じはした。
何故かって?
そんなの孫策、劉備に出会ったのだから曹操にも出会うだろ、と思っていたからだ。
本当に出会ってやっぱり驚いているのだが。
ともかくだ。
自己紹介を終えたので、たき火で身体と濡れた服を乾かす俺達。
火も落ちてきて、もうすぐ夜になろうとしていた。
その時ぐぅ〜、とお腹が鳴る音が聞こえた。
俺ではない。
という事は必然的にもう一人の人間になる。
曹操は顔を赤くしながら言う。

「し、仕方がないでしょ。
 近くの街で食事をする予定だったのだから。」

その言葉を聞いて軽く笑いながら立ち上がる。

「少し待ってろ。
 食べられる物を探してくるよ。
 もうすぐ夜になるから火を見ておいてくれ。」

俺は暗い森の中を歩き回る。
木刀は川で流されたせいで手元にない。
適当に木の棒を拾い、木の実やきのこなど、師匠に教えて貰った食べられる物だけを集める。
串となる棒を拾いつつ、曹操の所に戻る。
木の実を投げ渡し、きのこと串を洗いに近くの川に行く。
洗い終わってから、串を差してきのこを焼く。

「本当にそれは食べられるの?」

少し不安そうな顔をする。
彼女自身、こういったサバイバル的な食事はした事ないのだろう。

「このきのこは師匠と旅している時に何度か目にしているから大丈夫。
 どっちにしろ、俺が毒見するから安心しろ。」

「そこまで疑っていないわ。
 聞いてみただけよ。」

きのこ焼き加減を見つつ、二人の間に沈黙が流れる。
少しだけ考えた後、気になった事を曹操に聞く。

「そう言えば、兵士が倒れたのによく達観した表情ができたよな。」

「ああ、あれね。
 慣れているもの。」

その言葉に俺は最初耳を疑った。
曹操は膝を抱えてたき火に視線を注ぐ。

「私の家系は結構複雑なのよ。
 私の祖父が中常侍、大長秋という宦官としては最高の地位にいるのだけれど、そもそもその要職になるためには宦官にならなければならかったの。」

宦官って言えば貧しい庶民が宮廷に入る事ができる唯一の要職だ。
だが、それに入るためには厳しい審査と覚悟が問われる。
具体的には男子は股間を切断して、入るというものがある。
想像しただけで鳥肌が立ってきた。
宦官の肩書きがあるという事は、自分の家は貧しい家柄である事を示しているようなものだ。

「祖父はその地位まで上がったのだけれど、他の人達、つまりお偉いさんたちがそれを快く思わなかったのよ。
 当然よね。
 高貴の生まれである自分達を差し置いて、大長秋になったんですもの。
 しかし、祖父には手を出す事ができない
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