マクロスF
0687話
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言っても、皆の注目を浴びているシェリルだ。当然その様子に気が付いた者はいたのだろう。そして、シェリルの視線の先を追うようにして俺達が注目を浴びる。
「うわ、何か落ち着かないな」
アルトの隣にいた黒人の男がそう呟き、ルカが苦笑を浮かべたまま頷く。
そんな2人とは逆に、アルトの方は視線を集めるのに慣れているとでもいうように気にした様子も無く澄ました顔をしていた。
……黒人の男の方はともかく、ルカはL.A.Iで技術開発部特別顧問なんて役職があるんだから、この程度の視線を集めるのはそう珍しくもないだろうに。
そんな風に思っていると、このままの状況では収まりが付かないと思ったのだろう。シェリルがマネージャーや護衛と思しき軍人を引き連れながらこっちへと近付いてくる。
その様子を見て、女を口説いている状況ではないと理解したのだろう。ミハエルが急いでこっちに走ってきているのが見えた。
まぁ、ミハエルがこのアクロバット飛行のリーダーだし、当然と言えば当然か。
「ミス・シェリル。何か私達に御用でしょうか?」
「あら? 貴方は?」
「私は今回のアクロバット飛行を行うチームリーダーのミハエル・ブランといいます」
アクロバット飛行。その言葉を聞いた瞬間、シェリルの眉がピクリと動く。
その表情は、明らかに機嫌を損ねたように見えた。
「貴方達、学生よね?」
「ええ、そうですね。美星学園航宙科のパイロット養成コースの者です」
ミハエルがシェリルにそう答えた瞬間、間違い無くシェリルの視線が俺へと向けられる。
「そこの子達も美星学園の生徒なのかしら?」
「ええ」
「……全員?」
明らかに俺へと視線を向けながらミハエルへと尋ねているシェリル。
その様子からは、どう考えてもシェリルの注目を受けているのが俺であるのは間違い無いんだが……何でだ?
シェリルが俺へと視線を向けているのに気が付いたミハエルが、若干躊躇いながらも小さく首を横に振る。
「いえ、その、彼だけは違います。参加メンバーだった人物が怪我をしてしまい、その代役として彼に協力して貰っています」
「へぇ、そう。でも本職じゃないのなら、危なくないのかしら?」
俺を心配するような事を言っているのだが、何故かシェリルの口元には微笑が浮かんでいる。……この悪戯っぽい微笑、確かにどこかで見たような気がするんだがな。やっぱり気のせいか? まぁ、俺がこの世界の女と出会うなんてS.M.Sのピクシー小隊の面々や、ブリッジクルー以外では……あ、いや。待て。目の前で笑っているこの女の雰囲気は……シェリル、シェリル……シェリー!?
あの時に俺にシェリルのライブチケットをくれたのは、本人だった? だが、そう考えると確かに辻褄は合う。自分のライブのチケ
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