マクロスF
0687話
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」
「そうだな、責任者の人は今ちょっと忙しいらしいからここでちょっと待ってろって話だ。……って事で、お前達はここで待ってろよ」
「お前はどうするんだよ?」
そんな俺の問い掛けに、笑みを浮かべながら周囲を見回す。
「蝶は蜜を求めて花から花に渡り歩くのさ」
「……ようはナンパですね。ミシェル先輩らしいと言うか、何と言うか」
俺の隣で話を聞いていたルカが溜息混じりにそう告げる。
「ふふん、俺はナナセ一筋の誰かさんとは違うからな」
「ナナセ?」
聞き覚えない名前に尋ねると、ミハエルが意地の悪い笑みを浮かべつつルカの方へと視線を向け……
「ちょっ、ミシェル先輩! いいです、分かりましたから花でも華でも鼻でも行って下さい!」
「悪いね、頼りにしてるぜ」
そう言い、早速とばかりに少し離れた場所にいる数人の派手な衣装を着ている女達へと声を掛けるミシェル。
そんな様子を見ながら、ルカは溜息を吐く。
「全く、これからシェリル・ノームのライブで飛ぶっていうのに……あの心臓の強さは羨ましいような、羨ましくないような」
「そうだな、取りあえず……」
「アクセル君?」
ポケットから取り出した携帯を操作している俺を見て尋ねてくるルカに、何でも無いと首を振ってメールを送信を完了する。
送信先はミハエルの担当でもあるクランだ。このライブが終わったらさぞ賑やかな事になるだろう。
「はぁ、アクセル君も……わざわざ騒ぎを起こさないで下さいよ。知りませんよ? あの2人の喧嘩に巻き込まれても」
「ミハエルの担当はあいつだからな。しっかり担当者に働いてもらわないと」
「僕も巻き込まれそうで微妙に不安なんですけど」
溜息を吐いたルカが、俺達から少し離れた場所で1人雑誌を読んでいるアルトに気が付き、近付いていく。
「アルト先輩もミシェル先輩と同じく落ち着いてますね」
「ん? いや、そうでもないぞ。けど、あいつを見ていれば緊張してくるのが馬鹿馬鹿しくなってくるのは間違い無いしな」
小さく肩を竦めながら女を口説いているミハエルを眺めるアルト。
「全くだ。本当にあの度胸は分けて欲しいな」
アルトの側で、こちらはどこか羨ましそうにミハエルを見ていた黒人の男……えっと、名前は何って言ったか。とにかく俺、ルカ、ミハエル、アルト以外のアクロバット飛行のチームメンバーが溜息を吐く。
「結局自分の実力を出せばいいだけだろ」
「アルト先輩、本当に落ち着いてるなぁ。これってやっぱり家業の歌舞伎で……あ」
そこまで口にしたルカが、自分を睨みつけているアルトに気が付く。
にしても、歌舞伎? ……まさか日本の伝統芸能がこんな場所でまだ生き残っていたとはな。確か、初代のマクロスでゼント
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