第35話「ガンツと俺」
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そんな些細な人間には目も留めず、首をめぐらせていた。
恐らくは、現状を確認しているのだろう。いやもしかしたら無残な姿になっている小型のロボたちの姿にショックを覚えているのかもしれない。
「オオ……オオ……」
訳の分からないうめき声を上げて、その顔を眼前に立つ人間に向けた。
――来るかっ!
「オ……オオオ……オオオオオオオオォォォォォ!!」
激しく、雄雄しく、逞しく。
異様なほどの威力を秘めたその雄叫びは空気を伝播していく。
風が痺れ生物が震撼し、無生物ですらその身を震わせた。
「!?」
刹那はもちろん、木乃香やカモ。それに周囲に渦巻く無数の飛行型ロボ。
「――何?」
そして半分程度しか回復していないが、それでもほぼ無敵を誇るエヴァンジェリン、茶々ゼロも。
「――っ!?」
当然、目の前にいたタケルも。
その脅威が一帯へと伝わった。
そして、突如。
巨大ロボは人間一人がすっぽりと入りそうな銃口を腕から無数に生えさせて、標的たるタケルへとその両腕を向けた。
タケルはすぐさま逃げようとして、自身に起きている異常に気付く。
――体が……動かない!?
先ほどの雄叫びで体が本能的な恐怖を覚え、震えたせいだった。咄嗟の動きに体の反応が遅れた。
「まず――!?」
瞬間。
タケルの視界が赤く染まった。
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