第34話「ネギまと俺〜倒錯する想い〜」
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ような膨大な魔力をもっているでもなく、また楓や刹那のように体術や気に特化した術を持つでもない。
一言で称すならば……そう『気がつけば』と。
いつの間にか、タケルの前に立つ人間が一人減り、二人減り……最終的には戦力としては補助しか出来ない近衛木乃香とオコジョのカモ、それに戦う必要のなくなった刹那と楓が残ったのみ。
確かに、刹那と楓はネギ一行の中でも最高戦力だろうが、それでも目の前の彼ならば見事に倒していた気がする。
タケルという人物に関して、マナや茶々丸が気にしていた理由の一端を見せられた気がしていた。
――まぁ、未だにネギ坊主の言っていたことは理解できなかたガ。
そもそもタケル先生が自分に刃を振り下ろそうとした時の彼の目は優しかった。今でも殺すつもりはなかったのだろうということが自信を持って言える。
まぁ、それを言わなかったのはごたごたにあわせて逃げ出してしまおうという考えがあったからだが……結局、そんな時間も隙も余裕もなかったわけだが。
だが、ネギ坊主が見てきた一週間後の世界では不思議なことに自分は彼に殺されたという。
――この後、何かが起こるのカ?
彼等の言う化け物という存在はよくわからないが、おそらくそういうことなのだろう。もしかしたらその時に自分は死ぬことになるのかもしれない。
――……仕方ないカ。
身じろぎとともに自身の体調を確認する。
あらゆる兵装は既に壊れてしまってはいるが体に傷はない。ただ、無理して魔力を使用したせいか、体が重く、のっそりとした動きそうにない。
これでは世界樹に魔力が充溢する時間までに魔方陣を完成させて計画を実行することは不可能だろう。
そもそも自分は既に敗退した身。今更、元々の計画を発動するのは超自身の矜持が許さない……という風に自分に言い訳をしておく。
ともかく、今から何が起こるのかはわからないが、ある程度の覚悟だけは持っておく。
もしかしたら死ぬかもしれない未来に、諦めたように目を閉じた。
と。
「まだ強制時間跳躍弾を持っているか?」
いつの間にか彼が目の前にまで来ていた。
「……どうしてそんなことを聞くネ?」
超の問いに、彼は当然のように答える。
「キミたちを未来に送る」
「……なるほど」
その一言が、彼の今までの行動の全てを物語っていた。後ろではこの場で意識をもっている4人が「あ」と今更ながらに思い出したかのような顔をしてみせる。
――さすがに、目的は忘れないネ。
どうせほとんど動けない身。無理にでも探されたらそれでバレることなので嘘をつく意味もない。ここは素直に従うしかないだろう。
ポケットをまさぐり、探す
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