第34話「ネギまと俺〜倒錯する想い〜」
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それを退治していたのが目の前の彼、大和猛だ。
「……まさか? だ、だがそんな化け物の気配は」
うろたえる刹那に、再び楓が答える。
「確かに拙者も感じないが、タケル殿は既に察知していた……だから――」
「――だから、私達の説得を諦め、私達から抜け出すことも諦め、こうして順に気絶させてから化け物と戦うつもりだった……とでも?」
2人の推測がかち合い、視線が絡む。そして混ざり合った視線はそのまま、先ほどから沈黙を保つ彼のもとへと注がれた。
「……」
ただ黙り込み、答えないタケルに、2人の視線がより熱く注がれる。いや、2人だけではない。後ろでは三人。正確には2人と一匹。超と木乃香、それにカモも沈黙を保ったままじっと見つめている。
「タケル殿?」
「タケル先生?」
「ふぅ」
ついに諦めたのか、大きく息を吐いて口を開いた。
「ああ、2人の推測の通りだ」
「やはり」
「で……では……本気で!?」
――なんと、無茶な!
そして、なんと合理的なことだろう。
未来ではタケルが超を殺すと知ってしまったあの空気の中、一度刃を取り出した彼の言葉を信じる者はその場にはいなかっただろう。
きっと、それは純粋なネギでも。もっともタケルに心が傾いているだろう楓ですら。
だから、説得ではなく実力行使でそれをやってのけた。実際、既に7人もの人間が彼によって無力化させられてしまっている。
――さすがに、この人は違う。
刹那が軽く薄ら笑んでしまったのは、微かな恐れか、それとも純粋な意味での畏敬の念か。
上空、約百Mの飛行船。
季節にしては涼やかな風が流れ、火照るほどに熱くなりすぎた空気を適温にまで下げてくれる。
戦闘時のソレは気付けば鳴りを潜め、いつの間にか普段の彼等が姿を見せ始めていた。
タケルが星人を感知してすでに4分。
彼と彼等の戦いは、気付けば幕が下りていた。
気付けば戦いが終わっていた目の前の光景に、声を失っていた。
頬が引きつり、ともすれば乾いた笑い声まであげてしまいそうになる。
――なんて、非常識ネ。
お前が言うなと周囲からは言われそうだが、未来に帰れば自分のことは天才と称される程度に落ち着くだろうから、やはりこの場でただ一人、立ち尽くす男に送る感想としては最も適切な気がする。
超鈴音が目の前の黒き男、大和猛に完膚なきまでに敗北したのはまだ数分前でしかない。それが、気付けば死屍累々……いや、誰も死んではいないのだが、気を失って倒れている人間がそこかしこに転がっていた。
彼女が持つカシオペア、いわゆる時間移動を可能とした未来兵器を持っているわけでもない。ネギの
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