第34話「ネギまと俺〜倒錯する想い〜」
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うに浮かんだ考えだったが、それならば今までの彼の行動の矛盾にも合点がいく。
まるで、全ての疑問に納得がいった気がした……いや、もちろん、根本的な『さようなら』への疑問が解けたわけではないが。それは今の問題とは関係がないのでとりあえず置いておく。
それでも、こうして冷静になった頭で思い起こせばタケル殿が超殿に刀を振り下ろそうとしていた時のことも冷静に分析できる。
あの時はたしかに慌てて止めに入ったものの、よくよく思い出してみれば殺気がなかった。
つまり、『超をタケルが殺す』という先入観のせいで全てが歪んで見えていたということになるのではないだろうか。
自分の思考が繋がり、次々と導き出される答えに没頭する中、彼の言葉は進む。
「ほんとに……馬鹿だ。全くキミたちも呆れているんじゃないか?」
「そんなことないわ!!」
「そうアル!」
アスナとクーが立ち上がる。
「ネギは子供だけど、私達をまもるって必死に頑張って、今だって本屋ちゃんを気にして……そんな優しいこいつに私達が呆れるわけないじゃないですか!!」
「……ほぅ、ネギも全く幸せモノだな。親がいなくてよかったんじゃないか?」
「なんですって?」
前後の脈絡を無視したような、いきなり過ぎて首を傾げたくなるような言動に、ピクリとアスナの頬が引きつった。いや、彼女だけではない。ネギの過去を知るものは全員タケルの今の言葉に、明らかな怒気を含ませている。
――……これは。
拙者も、そして隣の刹那も遂に彼の意図を理解し始めた。ただいつになく饒舌に舌を回す彼への違和感にすぐに気付くべきだった。
狙いは後衛の少女達。
ああやって挑発することで襲い掛からせ、一気に沈めてしまうつもりなのだろう。
――マズイでござるな。
かといってタケル殿を警戒し続ける拙者たちには動くことはできそうにない。普通は口を開くだけで僅かな隙が出来るのが人間というモノのはずなのに、目の前の彼はまるで息を吸うかのように言葉を紡ぎだす。
明らかにこちらを狙っている。
全く隙が見出せずにいるのだ。対して、こちらが口を開き意識をそらせばそれだけで彼は猛然とその隙を狙ってくるだろう。
危機感に身を焦がしながら、だが心のどこかで「やはり」と思ってしまっていた。
――焦っているでござるな。それに。
さっきから視線も視界もぶれてはいないものの、ソワソワしている。滅多にみられないその様子に少し可笑しくなって、不謹慎にもつい笑ってしまいそうになる。
「ああ、親がいないんじゃなくて捨てられたんだったか? ……まぁどっちにしてもそうやって天涯孤独になったからこうやって無条件に信頼してくれるキミ達とも出会えたんだろ?」
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