暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン10 ノース校と選ばれし戦士(後)
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すね、先輩。それが、ついこの間私に勝った人間の戦いですか?」

 ぽつりと呟いた葵ちゃんの一言が、なぜだかひどく心に突き刺さった。

 BF−暁のシロッコ 攻5900→青氷の白夜龍 攻3500(破壊)
 清明 LP2000→0





「…………っ!!」

 一瞬ののち訪れた衝撃に吹き飛ばされ、後ろの壁に思いっきり背中をぶつけて息が止まる。。つまり、ダメージが実体化している。いつの間に闇のゲームに、と思ったが、よく考えたら負けたら光の結社に洗脳されるデュエルなんてものがまともなデュエルであるはずがなかった。あれ、じゃあなんで僕は平気なんだろう。

「ほんと、弱くなったなお前。お前みたいな雑魚引き入れても、何の役にも立たねーよ。じゃあな」

 よっぽど打ち所が悪かったらしくまだ動けない僕のところまでわざわざ来てそれだけ言い、勝手に僕のデッキを取り上げてゲイルのカードを引き抜く鎧田。その位置は、ちょうどデッキトップ。ああ、今回は力を貸してくれる気だったのか。それを生かす前に、僕がやられただけだ。
 それから、10分ほど経っただろうか。まだ多少反応の鈍い体を引きずるようにして歩き、誰もいない部屋を振り返りもせずによろよろと外に出る。無様、か。さっき葵ちゃんに言われた言葉が、いつまでも脳内でリフレインしていた。確かに、今の僕はいつも以上に無様だ。それは間違いない。まったく情けなさすぎて、

「ほんっと、笑っちゃうよねぇ………」

 無理やり笑ってみようとしたが、その笑顔は自虐的なものにしかならなかった。ちょうどそれに気づいたとき、いつの間にか流していた涙が一滴、床にポツリと落ちるのが見えた。
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