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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン10 ノース校と選ばれし戦士(後)
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中断なんて、当然許されるはずないでしょう。それとも棄権しますか?2勝した時点での棄権なんて随分と馬鹿らしいことですが、もしやりたいならここにきているお客さんに対してちゃんと多数決で聞いてみて下さいね?説得にはか、な、り、骨が折れるでしょうけど」
「………そういうこと。そこも抜かりはないわけね」

 ざっと周りを見回してみる。ノース校が全員光の結社に入っているってことは、本校の分も合わせるとだいたい5分の4ぐらいが敵ってことか。当然、そいつらは何を言っても終わらせる気なんてないだろう。この勝負を受けた時から、すでに僕らは罠にかかっていたようだ。
 特にいいアイデアも浮かばず、どうすればいいのかわからないので上を見る。当然青い空が見えるようなことはなく、野球ドーム並みに高い位置にある天井とそこに備え付けられたスポットライト含むいくつもの照明、それに火災用のスプリンクラーが見えるだけだった。

「それで、この後はどうしようってのさ」
「私としてもデュエルを介さずに口約束だけでこちら側(光の結社)に入る、などと言われても信用できませんし、デュエルはちゃんとやってもらいますよ。先輩の持っている闇のカードとやらでも光の力を防ぐことができないのは、三沢先輩のおかげでもうわかってますし」

 三沢の闇のカードというのは、ウリアのことだろう。なるほど、確かに三幻魔の1体であるウリアの正式な使い手になった三沢でもデュエルに負けた時は光の洗脳にやられてた。となれば、僕がやられた時にチャクチャルさんに守ってもらうっていう案も使えそうにない。闇のカードの謎パワー的なサムシングで立ち向かうのは無理ってことが、三沢という前例のせいで証明されちゃったわけか。

「さあ、諦めてデュエルを続け……」
「そ、そろそろ代わってくれ、な?」

 む、葵ちゃんに真っ向から意見を言うなんて根性あるな鎧田。僕だってあんまりやりたくないのに。
 しかし、言ってることは情けないもんだ。

「ああ、まだ何か喋り足りませんでしたか?いいですよ、もう私が言いたいことは全部言いましたし」
「俺が言いたかったこともほとんど全部………ああいやなんでもないです。まあとにかくだ、清明。お前らもここで諦めて俺たちとデュエルしようぜ、な?」

 冗談じゃないよ馬鹿。この人数比相手で戦う気なんてさらさらない、ここは戦略的撤退だ。ということでもう一度逃げ道を探して、横やら上やらに目をやる。走って逃げるのは無理そうだし、とすれば何か別の手を考えるしかない。ここにあるもので今見える範囲のものはどれも期待できそうにないし、あと近くにあるのは内ポケットの飴ちゃんと………あ、いいこと考えた。

「さあ、準備はできたか?大将のお前の出番はまだ先だろ、さっさと中堅のやつを出せよ」

 この手なら十
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