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その魂に祝福を
魔石の時代
第一章
始まりの夜5
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意味だ?
「いえ、でも。その……。貴方の意見は正しいとは思いますけど。……でも、事は口から身体に入るものだし」
「そうだよ。ほら、何だ。やっぱり、そこはほら。……腹も身の内って言うし」
 半眼で睨むと、それぞれがわたわたと何やら失礼な事を言い連ねる。しかも、アルフ。お前のその使い方はおそらく間違っている。
「フェイト」
 腕を組み、目を閉じて告げた。
「行くぞ」
「はい!」
 別に凄んだつもりなど欠片も無かったのだが――フェイトは今までにないくらいはっきりとした大声で返事を返してきた。
「う〜ん……う〜ん……」
 それからしばらくして。ベッドの上で魘される二人の姿があった。自らの名誉のために――いや、それ以前に俺に料理を叩き込んだ元宮廷料理長の名誉のためにここに宣言しておくが、料理をしくじったわけではない。むしろ、概ね好評だった。最初は警戒していたが、アルフはぺろりと平らげ、三回もお代わりを要求し、フェイトも量を控えめにしてあったとはいえ、全て食べきった。問題は、その後の会話だった。
 今回俺が封印したジュエルシードは、予想通りあの学校の『七不思議』を再現したらしい。それも、一番の有名どころを七つ。彼女達が追いついてくる直前に、体育館中を砲弾のように飛びまわっていたボール――本来なら、誰もいないのにボールが跳ね続けているという程度の話だったはずだが――を一掃した結果、ジュエルシードが姿を現した以上は間違いあるまい。だが――
「なるほどねぇ。アンタを追いかけてる時、アタシ達も妙な女に出くわしたけど、あれもその怪談の再現だったって事か」
「何? ……どんな女だ?」
「白い服を着た、髪の長い……少し怖い雰囲気の女の人です」
 アルフとフェイトはそんな事を言った。
 はて。そんな噂はあっただろうか。もちろん、俺とて噂の全てを知っている訳ではないが……そうなると数が合わない。噂は七つで完結するはずだ――何気なく呟いた途端、二人の顔が青ざめた。
「え……? それじゃ、あの人って……」
「ひょっとして、本物……?」
「かもな」
 冗談半分で頷いてやると、二人揃って卒倒した。全く可愛らしい事である。仮にも魔法使いが、今さら亡霊程度で気絶するとは。とはいえ、
「そんな気配を感じた事はなかったんだが……」
 やはり勘が鈍ったままということなのだろうか。それは否定しがたい。もっとも、あの場所は別に何かしらの因縁があるような場所ではない。何かが化けて出る謂れもないはずだが。
「……まぁ、機会があったら確認しておこう。念のためな」
 もっとも、この場合一番困るのは、亡霊云々などではなく、実は変質者が侵入していたと言うオチなのだが。
 まぁ、相手が何であれ、夜中に校舎内をふらつく程度なら別に大騒ぎする事でもないように思うが……下手をする
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