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魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
第54話 なのはとバルト
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「聖王器ホムラ………」
「古代のインテリジェンスデバイスで能力は相手の精神を支配する………恐ろしいデバイスやな」

ジェイルは零治が操られた経緯を話した。全てラグナルの説明した内容と同じだったが、その中にジェイル自身の推測もあった。

「しかし必ずしも出来るわけじゃ無いみたいだね。戦ったバルト君は実際に重傷を負っただけで他に変化は無かった」
「だけどなのはが………」



















「なのは」
「あっ、フェリアちゃん、久し振り………」

バルトとなのはは本局近くにある大きな病院に運ばれた。現在もバルトは集中治療室にいるが比較的軽傷で済んでいたなのははビップが使う特別病棟の一室にいた。

「気分はどうだ?」
「うん、大丈夫だよ………」

と弱々しく笑うなのはにフェリアは思わず目を背けてしまいそうになったが何とか踏み止まった。
見ていられなかったのだ。いつも元気で明るいなのはは見る影も無く、少々やつれた顔に目のクマ。誰が見ても衰弱している様に見えた。

(やはり精神的に何か攻撃を受けた様だな……)

ここに来る前に看護師から注意を受けていた。

『精神的にかなり不安定になっています。食事も中々食べられず、夜はうなされて眠れないみたいで、時々涙を流しながら誰かに謝っている時もあります。友達が来たことで多少でも心に余裕が生まれれば良いんですけど………』

(聞いていた以上だったな………)

そう思いながらお見舞いに持って来た花を花瓶に入れる。

「フェリアちゃん、ミッドはどうなってるの?」
「………今の所クレインに動きはない。あれだけ管理局にダメージを与えたのにな………行方すら掴めていない………」
「街の様子は?」
「今の所変化は無いな。だが、あの事件の影響で市民からも不安や不満が出てきている」
「そう……だよね………私も………」

そう言ってベットから立ち上がろうとするなのは。

「!?なのは、何をしている!!」
「私も行かなきゃ………私の力はみんなの為に………」
「しっかりしろなのは!!」

一生懸命なのはを抑えるフェリアだが、なのはは虚ろの目で「行かなきゃ……」と呟き立ち上がろうとした。

「くっ………!!」

咄嗟に近くにあったナースコールを押したフェリア。

「なのはさん!?ダメですよ!!安静のしてないと!!」
「私が!!私が!!!」

この後なのはは鎮静剤を打たれ静かになった。

「すみませんが今日は………」
「はい………」

医師の言葉にフェリアは何も言えずそのまま病院を後にした。

(なのは、私は信じてるぞ………)

フェリアはそう思いながら本局へと戻って行った………



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