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魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
第54話 なのはとバルト
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エクスの顔も疲労困憊で今にも倒れそうなほどだ。
「エローシュの奴、ゆりかごの調査だけじゃなくて、有栖零治を操った刀の事を調べていた」
「えっ?あんた知ってたの!?」
「………ジェイル………イーグレイ………博士が教えてくれた………バルトマンを連れ、何処かへ行く前に………俺に…ゆりかごの調査と……零治さんを救う方法を探してくれと………」
ルーテシアの問いにそう絶え絶え答えるエローシュ。しかしその顔に笑みがあった。
「ゆりかごに関して……は、まだ時間がかかるが………零治さんを……救う方法は………見つかった………」
「本当に!?」
「それには俺達が有栖零治に回路を接続し、眠り続ける有栖零治を起こす方法だ。その為には有栖零治の動きを止め、尚且つ、有栖零治の家族の皆が零治を連れ戻す方法。それがあの刀の束縛から解放する方法だ」
絶え絶えのエローシュの代わりにエクスが答えた。
「………だから零治さんを救うには…有栖家のみんなの力がいる………」
「エローシュ君………ありがとう………」
涙目で頭を下げ、お礼を言うキャロ。
その姿を見て、やっとエローシュは元のエローシュの顔へと戻った。
「真白ちゃん、ごめん………後はお願い………」
何のお願いなのかはさておき、そのまま気絶してしまうエローシュ。
「エローシュ!?」
「エクス、エローシュは!?」
「流石に限界が来ただけだ。………かなり危なかったが、倒れてくれて助かる。言っても聞かないからな俺のマスターは………」
エリオの問いに舌打ちしつつ、そう呟いたエクス。しかし嫌悪感は無く、何処か温かい目であったのは誰が見ても明らかだった。
「エクス君………」
「………俺も休む。こいつが起きたらまた出てくる」
キャロに微笑ましく見られたエクスは気恥ずかしさを隠すように姿を消したのだった。
「………良かったねキャロ」
「私も今度はお姉ちゃん達と一緒に………私、お姉ちゃん達にこの事を話してくる!!」
そう言って駆け出すキャロ。
「キャロ待って!!エリオ………」
「エローシュ君の事は私が見るから2人はキャロちゃんと一緒に………」
「………分かった!!」
「エローシュをお願いね、真白!!」
そう言って2人は慌ててキャロを追いかけるのだった………
「とうとう、こう来たか………」
授業で俺が使っていたロッカーに名無しの手紙があった。
そこには『彼女に付きまとうのはヤメロ』と新聞の切り抜きで文字が作られていた。
「どうしたの?」
「うおっ!?」
後ろから不意に声を掛けられ、振り向くとそこには笑顔で俺を見ていたエリスが居た。
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