暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth6聖王家の番犬〜Meister des SchwerT〜
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も強い街にしようと誓ってから半年弱。それが少しずつだけど叶おうとしてる。それが嬉しくて、そわそわしちゃう。そんな嬉しさいっぱいの中、「エリー? 仕事放って何してるの?」って今聴きたくない声が後ろから聞こえてきた。
後ろに振り向きつつ「ちょっと休憩を。アンナ」とわたしの親友であり、姉であり、仕事を補佐してくれる大切な人、アンナに答える。アンナは毎日ずっと使用人服型の騎士甲冑を着て、魔力の変換効率などを常に成長させていて、常に自身を鍛えている努力家。
「休憩って、もう20分も――」
「たった20分じゃないっ。もうちょっとくらい休ませてよぉ」
「20分も休めればもう十分でしょ? それとも投げ出す? シュテルンベルク男爵を」
「・・・・卑怯な言い方するよね、時折」
とんでもなく厳しいけど、それはわたしの為を思ってくれているからだというのは理解してる。だからちょっとだけ文句はあるけれど、でも反感は無い。アンナが何かを言おうと口を開いて、でもその前に「すぐ戻るよ。休憩をサボりにしたくないしね」って屋敷へと歩を進める。
「っと。シグナムさん達に何か飲み物を用意してあげて。他の皆さんのもね♪」
「はい。かしこまりました」
「またそんな堅苦しい口調。いい加減にしてよ、ホント。それ、結構傷つくんだよ?」
「・・・・いつも以上に深刻そうね。判ったから、もうやめるから、そんなに泣きそうな顔しないで」
涙を人差し指で拭う“フリ”をする。ふふん、やったのだ。涙を流す演技を練習した甲斐があったよ。アンナがようやく折れてくれた。わたしが男爵位を得てからの日々、その大半を堅苦しい口調と態度で接して来るようになった。
頼むたびに少しは直してくれるけど、でもまた元に戻る。それの繰り返し。でもこれでようやく完全に元通りになるはず。中庭でアンナと別れて、まずは医院に足を運ぶ。屋敷の庭の一画に新設した医院。そこで、オーディンさんとアギト、モニカにルファ、そしてシャマルさんが働いてる。時間帯的には休憩中なはず。仕事に戻る前にオーディンさんの顔を見ておこうっと?
「・・・ぅく・・・ちょ・・・たい・・・」
休憩中っていう札が掛けられた医院の扉の向こう、院内からオーディンさんの声が漏れて来た。しかもなんかちょっと苦悶という感じで、思わず中に入るより扉にへばり付いて聞き耳を立ててしまう。まず「やっぱり、少し痛いな・・・」っていうオーディンさんの声。痛い事してるの? 次に「ごめんなさい。でもこればっかりは」って謝るシャマルさんの声。
(え? オーディンさんとシャマルさんの二人でやってるの?)
胸騒ぎ。扉を開けて入ろうかと思った矢先、「マイスター。やっぱりエリーゼに話しておいた方が」ってアギトのちょっと困惑気味の声。踏み止まって
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