暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth6聖王家の番犬〜Meister des SchwerT〜
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だ。しかしシグナムとてこれまでに多くの実戦を積んできているはずだ。これで終わり、なんてことはないだろう。
「見切った・・・!」
――パンツァーガイスト――
シグナムは大してリサの姿も見る事が出来なかったのに、“キルシュブリューテ”の剣先が僅かに見えた程度で片手で白刃取りを成功させた。高魔力で手を守っている事と、白刃取りのタイミングを見極る動体視力、そしてそれを成せる身体能力があって、初めて出来る芸当だ。
リサが驚愕に目を見開き、一切の動きを止めた。それはほんの僅かな時間での隙。シグナムは“キルシュブリューテ”の刀身を掴んでいる左手をグッと引っ張りリサの体を引き寄せ、“レヴァンティン”の柄尻で彼女の腹部に打った。
手加減はもちろんしているようだが、それでも激しく咽るリサ。それで終わりだ。咽ている間は完全に無防備。実戦であれば、すでに殺されているような大きな隙だ。だからこそ、「けほっけほっ、参りました」とリサは自分の敗北を負けた。そしてシグナムは空を飛べないリサを抱えて地上に降り立ち、「ありがとうございました」と礼を言った。
「オーディンさん。貴方のご家族はお強いですね」
「もちろん。私の自慢の家族だからな」
ヴィータの頭を撫で、シャマルの肩にポンと手を置き、アギトに微笑みかける。ヴィータは私の頭を撫でるという行為に慣れてしまっているが、それでも気持ち良さそうに目を細めてくれて、シャマルも肩に乗った私の手に自分の手を重ね微笑み、アギトは私の肩に降り立って頬擦りしてきた。
「騎士シグナム。よろしければもうしばらくお付き合いしてもらってもいいですか? こんな貴重な時間、そうそう無いので、アムルへお帰りになるまでに少しでも剣を交えたいのですが」
『良い機会だから一緒に鍛錬を積めばいい、シグナム。君に用事が出来た時、思念通話で呼び出す。それまでは・・・』
「『そうですか・・・ではお言葉に甘えて』いいだろう。私とてお前ほどの腕を持つ騎士と剣が交えることはないからな」
というわけで、シグナムはここでパーティから一時離脱。そして私たちはオリヴィエが目覚めるまでの間、城下町の見学という事になった。
後に聖王女オリヴィエと謳われる彼女。遥か未来に生まれる高町ヴィヴィオのオリジナル。武術と魔導ともに最強クラスという。しかし詳細は知らないが身体の方に何かしらの障害があるとかないとか。
とりあえず今は王都の見学を楽しもうか。いつまた来る事が出来るか判らない――いや、もう二度と来る事が出来ないかもしれないしな。
「よし。エリーゼ達への土産でも観ようか」
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