12話 A summons
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
12話 A summons
「外から上ってきたの!?」
(来た来た!!)
外の壁から這い上がってきた物は、人間の腕が何本か生えている黒いものだった。
そのうち何本かの手は剣らしきものを持ち、中央の一本は仮面のようなものを持っている。
それの額には『T』と書かれていた。
(これが最初の大型シャドウ!)
原作ではここで、ビッチがペルソナ召還をすることにビビっている間にここのシャドウに攻撃を食らう。
そして、その衝撃で召還器だけが主人公の足元へと滑ってき、主人公はそれを使ってペルソナを召還する。
(生オルフェウス!生オルフェウス!)
ペルソナを生で見たいという想いに駆られ、私は早くビッチが召還器を手放さないかと思い、そちらを見る。
すると、そこには私の予想だにしない光景があった。
「くそっ!・・・私じゃ・・・」
そう呟いて悔しそうに下唇を噛むビッチは震えることなく、召還器に手を置いている。
「稲城さん!逃げて!」
「え?」
「私じゃ、こいつを倒せないの!」
「え?え?」
(ど、どういうこと?原作と違う?)
「私が足止めするから!あなたは逃げて!!!」
「ちょ、ちょっと!」
(おかしい。どうなっているの!?)
私はパニくりながら、ビッチとシャドウを交互に見やる。
「いくよ・・・イオ!!」
???ダァァン!
発砲音に伴って、ビッチの後ろからペルソナが現われる。
(生イオ!生イオ!)
その光景があまりにも綺麗で、一瞬変な思考へ行ってしまった自分の頭を振って、私はもう一度前を見る。
(そ、そんなことより!なんで召還できてるの!?これじゃ私の出番ないかもしれないじゃない!)
「イオ!ガルよ!」
風が起こる。
しかし、相手の大型シャドウにはほとんど効いていないように見える。
「くっ!・・・あなたは逃げて!早く!」
(逃げるのはあなたの方じゃないの!?)
???ボォォン!
炎がはじける。
「きゃぁ!!」
その衝撃で2メートルほど岳羽は吹っ飛び、召還器がこちらに滑ってくる。
「ゆかり!?」
私の目は、望んでいた召還器ではなく、飛ばされた岳羽を追った。
???グチョリ、グチョリ
大型シャドウは、岳羽の方へと近づく。
(た、助けなきゃ!)
「く・・・うぅ・・・にげ、てっ!」
立ち上がろうとする岳羽。
しかし、明らかに負っているダメージは大きそうで、立ち上がれそうにない。
「・・・ぁ」
私は無意識のうちに召還器を拾う。
(何してるんだろ・・・今、なら彼女を殺せるじゃない・・・)
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ