12話 A summons
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「ふぅ・・・ふぅ・・・・」
私は息を吐く。
思っていることと反して、体は銃を頭に向ける。
恐怖。
これで自分を撃っても、自分は死なないはずなのに、何故か湧き上がる恐怖。
死への恐怖。
「逃げてっ!!」
もうシャドウは岳羽の目の前に迫っている。
止めは剣で刺すつもりなのか、それとも食べるためなのか。
(どうして、私の心配なんてしてるの?自分が死にそうなのに)
カタカタと震える指。
(助けなきゃ・・・助けなきゃ!!)
「ペ・・・ル・・・ソ・・・ナァァァァ!!!」
死の恐怖への反抗。
それは私の中の何かを目覚めさせた。
???ダァァン!!
発砲音。
引かれた引き金。
自分の中から這出る何か。
『汝は我。我は・・・』
「うっ!・・・あ、ああああ!!!あ”あ”あ”あ”あ”!!!」
(く、苦しい!!!)
恐らく、オルフェウスの中からタナトスが現われたのだろう。
(行け!倒して!)
私の意図に応じたわけではないだろうが、タナトスは大型シャドウへと向かう。
???グチ!ブチ!
気持ち悪い音と共に、飛び散る影。
タナトスがシャドウを千切っている。
「ぐうぅ!!」
痛い。
頭が痛い。
痛い。
胸が痛い。
何か自分が自分でなくなりそうで怖い。
痛み、恐怖。
「どう・・・して・・・」
痛みに呻く私の耳に、ゆかりの声が聞こえる。
「うっ・・・助けなきゃ」
ズルズルと、体を引きずる音が聞こえる。
(痛い!痛い!痛い!)
私は頭を抱え込む。
「イオ・・・ディア」
???パァァ
痛みが和らぐことはなかったが、私は確かにその時、癒されたと感じた。
そして、スッと痛みが引く。
(・・・ぁ・・・だめ・・・)
それと同時に私の意識もなくなった。
「ここは・・・?」
「再びお目に掛かりましたな」
(ベルベット、ルーム?)
イゴールという、やけに鼻の長い老人がうんぬんかんぬんしゃべっている。
「ペルソナとは、貴方が貴方の外側の物事と向き合った時、表に出てくる『人格』・・・」
ペルソナの説明をしている。
ゲームででてくるペルソナは、ポケモンのようなものに近い。
そのため、存在意味自体を気に掛けたことはなかった。
「あなたは・・・ワイルドというとても珍しい力をお持ちで」
さまざまなペルソナを付け替える能力のことだ。
「しかし、それは借り物の力」
「!?」
「あな
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