第一部 学園都市篇
第2章 幻想御手事件
22.Jury・Night:『Howler in the Dark』T
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キーボードを叩く。カタカタ、カタカタと。一応はブラインドタッチだが、一文で二回は間違えてしまう程度。
現在、支部の一室。空調の効いた快適な室内で、飾利は『幻想御手』に関する過去の記録や証言を。嚆矢は、電子の海を彷徨している。
探すのは、『レベル 上がる』の検索キーワードのページやサイト。無論、学園都市の生徒ならその類いは誰もが……『超能力者』でもない限りは、誰もが興味を持つこと。それこそ、星の数のヒット数である。
「……気が遠くなるな、これは」
しかも、大半が『楽してレベル上がんねぇかな〜(笑)』とか言った内容の物ばかり。しかもそういうものも、もしかしたら偽装である可能性を考慮して虱潰しにしなくてはいけない。
すっかり冷めた珈琲を啜る。開始からもう、三時間弱。目もショボショボしてきた。それでも、まだ一割も調べきれていない。
「…………ん?」
そんな時、ふと目に入った文字。そこには――――
「……『妖蛆の秘密』……」
『発狂レベル急上昇www』と書かれた部分がヒットしたらしい、それは『クトゥルフ神話を下敷きにしたテーブルトークRPG』のページ。
自らが関わった物の名が出ている事に興味を引かれて、或いは流れ作業で条件反射に。つい、クリックしてしまう。
「へぇ……凝ってんなぁ」
開かれたページは、黒地に『中心に目がある五芒星』の描かれた背景。そこに、『妖蛆の秘密』の来歴や内容の記されたページ。その内容はほぼ、セブンスミスト前で『白い修道女』に聞いたものと同じだった。
――そう言えば、あのシスター……結局、あの娘が件の『禁書目録』って奴だったんだろうか……
等と、普段は夜にしか見せない『魔術使い』の顔で思案しながら『禁忌の書架に戻る』というリンクを踏む。その先は、様々な項目で区分けされたホーム画面。
『水神クタアト』や『輝く捩れ双角錐』等、覚えの有るものもある。『これはタメになる』と、ページ名を見れば。
「『Miskatonic University occult sciences 』……ですか。あれですか? 嚆矢先輩、外国の大学にでも進学、するんですか?」
「ッと……あ〜、いや、うん。もしかしたら関係有るかも、って……真面目に取り組みます」
すぐ近くから、飴玉を転がすように甘ったるい声。即ち、すぐ近くで画面を覗き込む、飾利の声が。
それに、少しだけ往生際悪く。だが、直ぐに白旗を上げて。
「此方
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