第一部 学園都市篇
第2章 幻想御手事件
22.Jury・Night:『Howler in the Dark』T
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も出来る神って事か? 白井ちゃんの『空間移動』の上位互換みたいな?
等と、少し考え込む。だとすれば彼女の攻略の文字通りの『鍵』は、この神性の能力の再現ではなかろうか、と。
無論、簡単な話ではない。その為には、この神の事を記した『魔導書』がなければ。
「うわ、冗談じゃねぇよ。あの蛆虫だけでも人生の三分の一くらいの恐怖を味わったってのに、更に新しい奴なんて」
結論、そうなる。まだ、自ら狂気の領域に足を踏み込むまでにはSAN値は減っていない。
が、読み進めれば、その先に。
「……召喚方法載ってるがな」
何と破滅的な事か、そこには懇切丁寧な『ヨグ=ソトース』の召喚方法が記載されているではないか。
ごくり、喉を鳴らす。どうやって勝負に持ち込むかはまだ決めてはいないが、二度も苦杯を舐めさせられた黒子に――――勝ち得る機会を目前にした、高揚で。
「――――勝ち目はある、かもな」
嚆矢は角を曲がる。角の先、人気の無い路地裏の暗がりに踏み込む。
そして――――
「先ずは、師匠に相談してから。安全性を確かめてから、だ――――」
監視カメラも何も無い事を確認して、彼は『魔術使い』の顔となる。着ていた学ランを錬金術によりスーツとし、髪と瞳の色をも、黒と燃え立つような赫に塗り替えた姿となり。
「――――やれやれ」
『長い夜になりそうだな』と、何処かで聞いた溜め息を吐きながら、実に楽しそうに。
薄暗い逢魔が時の空の下。懐から取り出した舶来煙草、ブリキのケースから取り出したそれに、火を燈した。
………………
…………
……
その全てを、眺めていた『彼』。闇のただ中で、蠢くように、這いずるように。
「あれが……そうか。なるほど、確かに――――旨そうだ」
ニタニタと、ネチャネチャと。不快極まりない粘着質さで、一連の出来事を。
「――――どお〜? 彼、中々の男前でしょ〜?」
「――――!」
その饐えた悪臭を放つ闇の底に、火が燈る。『彼』の驚愕を、見詰める為か。
「まだ『覚醒の世界』のままだけど、将来性は抜群だよ〜? 君とは違ってさ〜?」
けらけらと嘲るように、紅い占い師が歩み出る。生きた炎が揺らめくランプを片手に、能面の笑顔を見せて。
それに、『彼』は己の体を庇うように、闇がある場所に身を隠す。
「我が女王――――生きたままに埋葬された貴女。今や、今や彼の者は具現の域……顕現までは、もう僅か。貴女様が望むなら、我が最後の仕上げを成しましょう」
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