マクロスF
0686話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「こいつがアクセルか?」
ルカにアルトと呼ばれた男が、俺を見てどこか拍子抜けしたように呟く。
いや、したようなではなく、あからさまにがっかりとした表情を浮かべて俺を見ていた。
……まぁ、面白くは無いが、今の俺の容姿は15歳程度でミハエルとかよりも小さい。ルカよりは大きいが。それだけに、そんな感想が出て来るのもしょうがないと言えばしょうがないか。
「はっ、アルト姫には分からないかもしれないが、アクセルはその辺の奴とはモノが違うんだよ。……って、何で俺がわざわざこいつのフォローなんてしなくちゃいけないんだか」
いや、俺もそうは思う。まさかミハエルが俺のフォローをするような真似をするとは思ってなかった。ミハエルはまだ完全に俺に対しての警戒を解いた訳じゃ無いのは、普段の行動を見ていれば明らかだしな。
……それはルカも変わらないんだが。
「俺は呼ばれたからここに来たんだけどな。必要無いなら戻るぞ? 別に俺がこのバイトをやらせて下さいって頼み込んで来た訳じゃ無い。頼んできたのはそっちだってのを忘れるなよ」
「あ、ちょっ、アクセル君! アルト先輩、アクセル君は本当に腕利きなんですって。少なくても身体を動かす事に掛けては、僕が今まで見てきた中では1番なんですから」
「ちっ、分かったよ。ルカの言う事だし、信じてやってもいい」
アルトが一見すると女のようにも見える程に整った顔を俺の方へと向ける。
……へぇ。顔はともかくその目には獰猛……いや、これは渇望か? そんな色が浮かんでいる。どうやらミハエルに次ぐ技術を持つって話も嘘じゃ無さそうだな。
「信じてもいいが、まずは実際にその腕を見せて貰おうか。本当に俺達と一緒に飛べるだけの技量を持っているのか。ここにいるのは、パイロット養成コースの中でも上位の成績を持つ奴等だ。その中で飛べるか?」
「別に構わんが」
どこかもったいつけたように言ってくるアルトに短く返し、そのまま周囲へと視線を向ける。EX-ギアで飛ぶ時に助走を付けるランチャーカタパルトを発見し、そこへとEX-ギアの足下に付いているローラーを使いながら移動する。
その様子を見てその場にいた何人かが驚いていたようだが……まさか、この程度の事で俺の技量を認めたんじゃないよな?
そもそも、俺がS.M.S所属だってのはミハエルが説明してあるってルカが言っていたしな。
「さて、こっちの準備はいいが……そっちも問題無いな?」
俺の方を見ている奴等へと尋ねると、アルトを始めとした他の数人も無言で頷く。……ミハエルは面白そうに、ルカはどこか心配そうにこっちを見つめていた。
そんな様子を見ながら、屋上に設置されたランチャーカタパルトの取っ手部分を掴み、体勢を整え……次の瞬間には猛スピード――とは言って
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ