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Ball Driver
第7話 雅礼二とかいう男
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「で、どうして僕をわざわざ美術部に呼んだんですか?形代さん」
「うむ、それは君にモデルになって欲しいからだ。」
「はぁ!?」

権城は、形代と、籠の中の少女を交互に見た。
モデル?つまりは俺も、こういう事に?

「君は顔面こそアレだが、しかしその身体には野性の輝きに溢れているのでね。僕としても、新しい試みになると思う。」
「…………」

礼二の言葉に、権城はゾクゾクっとくる。
何だよ顔面はアレって。んで、何で身体の事なんて知ってんだよ。

「よし、時間をとらせても悪いから早速取り掛かろう。とりあえず服を脱いでその椅子に座ってくれ。」
「申し訳ないがお断りです。さようなら。」

権城はサッと立ち上がり、扉を開けて外へと飛び出していった。礼二も形代も止める間も無く、権城に逃げられてしまった。

「……逃げられたな」
「亮介さんが厳ついからですよ」
「何を言ってる。お前が最初に引かれていたのが原因だろうが。」

礼二はため息をついた。
そして、懐から一枚の写真を取り出した。

「この写真を見たら、彼は相当良いモデルになると思ったんだがなぁ。」

その写真に写っているのは、浴場で、全裸でヘッドスライディングする権城。
あの“熱湯甲子園”の様子だ。
どうやってこれを手に入れたのかは、全くの不明。

「まぁ、仕方がないか。生のモデルが居るにこした事はないけど、これで描けないこともない。」

礼二はキャンバスを広げた。
その事に権城本人が気づく由もなかった。








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