第7章:過去から未来への歴史
第8話:拾ったんです
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(エビルマウンテン)
リューノSIDE
お父さんが強すぎて、みんなが弱く見えるこの状況……
愚痴の一つも言ってないとやってらんないのだろうと思われる。
その愚痴をエビ攻略に絡ませながらデスピーが吐き出してると、何やら我が父への不満の目が集中した。
つまりは『我々じゃ勝てそうにないから、どうか手を貸して下さいませ』と、睨む事で伝えてる訳なのだが、その視線を突如奪う者が現れた。
それはマリー……私の妹のマリーだ!
疲れ切って寝そべっているウルフの顔の上に跨がる様に立ち、先程記憶したビアンカさんのセクシーパンツの記憶を上書きさせるのと平行して懐から取り出した奇妙な笛を掲げている。
その笛ってもしかして……!?
「これ、な〜んだ!?」
「そ、それは……『あやかしの笛』ではないか!!」
「え、何で?」
ジェラシーを感じるほど可愛らしく叫ぶマリーに対し、驚きの声でデスピーが答える。
その答えに流石のお父さんが吃驚して振り返る。
そしてマリーの立ち位置に喜んでいる。
「ちょっと……その笛はサントハイムにあった物でしょ……盗んだわね!? 私、憶えてるんだからね……以前お父様が『夢で笛が重要になるのを見た……国中の楽器職人を呼び寄せ、夢で見た物と同じ物を作らせるぞ!』って大騒動になったんだから!」
「ううん、盗んでないのよ。拾っただけ。絶世の美少女は盗んだりしないのよ、普通の美少女姫様」
「喧嘩売ってんのかコラ!」
どうしてお父さんもマリーも、自分の事を“イケメン”とか“絶世の美少女”と広言できるのだろうか? 恥ずかしくないのかな?
「そ、そんな事より……早く笛を吹け! こっちは一大事なんだよ!」
エビの猛攻を凌ぎながら、デスピーがマリーに怒鳴る様に話しかける。
「言葉に気を付けなさい似非イケメン! 『哀れな我々の為に、どうか笛を吹いて助けて下さいまし、絶世の美少女マリー姫様』と言え!」
「もういい……お前を殺して自分で吹く!」
業を煮やしたデスピーが、エビの下からこちらへダッシュ!
流石に慌てたマリーは、その場に蹲りお父さんの影に隠れようとする。
だが思い出してほしい……マリーの立っていた場所を。
そうウルフの顔の上なのだ!
突如降りてきたマリーの股間に顔を覆われ、苦しそうに藻掻くウルフ。
しかしデスピーは、マリーに近付く事は出来なかった。
何故ならエビが……一連の会話を聞いてたエビが、慌ててデスピーを弾き飛ばし、マリーを殺そうと突進してきたからだ!
マリーは元より、側に居る私達まで命が危険に晒されるこの状況……
でも大丈夫なの。私達にはお父さんが居るから!
最強のイケメンお父さんが居てくれるから?
リューノSIDE END
(エビルマウンテン
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