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『自分:第1章』
『新学期』

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桃ちゃんとは今迄通り。
零那から話しかけることは無い。
グループの子に勘ぐられるのも困る。
桃ちゃんのグループは皆、意地悪そうな子に見える。
でも、皆、言いたいこと言ってるだけ。
本音でぶつかってるだけ。
腹黒くない。
サバサバしてる。
素直。
やから零那にとっては親しみやすいグループ。
一番喋ってるのも此のグループ。

表は笑顔で、裏で陰口叩く子より、堂々と本音でぶつかってくる子の方が自分には合う。

お互いにそんなとこは解ってたんやと思う。
零那が1人で居るのが好きなんも解ってくれてた。

移動教室やトイレや放課後も、誘われることはある。
タイミング合えば行ったし、合わんかったら行かんかった。
グループには入らんけど、関係性としては悪くなかった。

桃ちゃんは、皆に、零那と夏休みに学校で逢って遊んでたって言ってた。

それで、前よりキャピキャピくっついてくるようになった。

皆、女の子。
スタイルが気になる。
好きな男出来た。
ヤッてみたい。

話題がそんな類ばっかり。
零那は正直そぉゆう話はせん。

桃ちゃんが零那の過去を知ってるから、ソッチ系の話になると必死で逸らしてくれてた。
それがおかしくて、いや、嬉しくて
思わず爆笑してしもて...
桃ちゃんに背中しばかれた。

他の子は『えっ!何!』って感じやった。

咄嗟に、零那は『桃ちゃん、こないだヤリたい男おる言うてたで』って嘘を言った。

ほな桃ちゃんはまた怒って背中しばいてきて皆が笑ってた。

桃ちゃんはそうゆう人間じゃないからこそ皆が笑えた。

桃ちゃんに『ゴメン!』って合図したら、親指を立てて『任して!』って、桃ちゃんお得意の合図。


なんか、ほんまに嬉しかった。
普通の世界の普通の友達って感じで、泣きそうなん堪えるん大変だった。

零那が外で何やってるか知ったら幻滅するやろな。

知られたらあかん。

此処での普通の友達も大事にしたいと想った。


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