10話 『腐りゆく大地』
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をしてくれる。
「ラリホ! お前さん達も、大地が腐る原因を探りに来てたか!」
(あれ、さっきの女の人は……?)
ここへ来て色々話てくれた女性が、いつの間にかいない事にシファは気づく。
「町のニンゲンから色々と聞いたぞい、大地と共に生きるワシらドワーフだけの問題じゃあないな………」
「オレらもさっきの女から聞いたけどよ、大地腐ってンのはバンパイアの仕業だってか?」
面倒そうに云うランクに、ドワーフのネリクは難しい顔をする。
「ふむぅ……ひとまず夜も近いでな、宿屋の食堂にでも行って話そうじゃあないか!」
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生暖かく湿った空気の流れと共に、灰色の空が黒く塗り潰される夕闇の頃、辛うじて営業しているメルモンドの宿屋には、カウンターにいる中年男性と最近泊まり掛けのドワーフ1人に、新たにやって来た4人の若者だけで、蜘蛛の巣が張り巡った食堂内で出された物といえば、小さめに切られた芋のスープのみ。
宿屋の主人は早々に戸締まりを済ますと部屋の奥に引っ込んでしまい、食堂のテーブルを囲んだ5人はまずドワーフのネリクから話し出す。
「ここに留まって数日、夜な夜なバンパイアに襲われたニンゲンを何度かワシも目にしたよ。町の者は戸締まりをしっかりするんじゃがな、それでも突然家の中に現れては外にわざわざ引きずり出して生き血をすすりよるんじゃ……!
悲鳴がして宿屋の窓から初めてその光景を目の当たりに時はどうする事も出来なんだが、二度目はさすがに見ておれんとツルハシで立ち向かおうとしたんじゃがの、直前で奴は闇に同化して姿を暗ましおった……。しかも血を吸われたニンゲンもいなくなっておったんだよ!」
少なからず興奮して語るネリク。
「そのバンパイアが大地を腐らせとる元凶らしいと知ったワシは、アースの洞窟へ退治しに行こうとしたんじゃが、ワシ1人ではさすがに無理があるしの………。
町のニンゲンにも協力してもらおうと思ったんだが、ヒトの数も減る一方で戦える者もおらんし気力すら失っとる……。そんな行き詰まった所に、お前さん達は来てくれた!」
「そ、そうでスとも! ボクらがそのバンパイアを倒して、大地が腐るのを止めてみせまスよっ……!」
ドワーフのネリクの前で意気込で見せるビル。
「ソイツが土のカオスだってか? 何かイメージと違ェ気がすンだけどよ」
「 ………そうだな 」
共感したような赤魔道士マゥスンの一言に、ランクは内心驚く。
(うはッ、コイツがオレに同感しやがるなンざ、ありえねェッ。いや、別に悪かねーけどよ……?)
「ところでな……、バンパイアはどうやら血を吸うのに男女問わないとはいえ、やはり"オナゴ"を好むようなんじゃ。白魔道士の娘
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