11話 覚醒当日
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11話 覚醒当日
「真田先輩!あっちにシャドウがいますよ!強そうです!」
「何!?どっちだ!?」
「あっちです!」
「行くぞぉぉぉ!!!」
俺は今、必死で真田先輩を誘導している。
『彩君』
俺が自分で指指した方に走り出した時、通信機から後ろの真田先輩に聞こえない音量で通信がきた。
「いたか?」
『うん』
「どっち?」
『8時の方向200メートル先』
先輩のペルソナ能力は基本的に『繋ぐ』こと。
山岸風花を円形に広がる水の波紋、と例えるならば先輩は直線形の電波。
山岸風花は感知系で、かなりの範囲をその影響下におくことができる。
それに比べて先輩は何かと何かを繋ぐことにかけてはピカイチの能力を発揮する。
もしこの状態で山岸風花が入ってきたとしたら、その効果は相乗されるだろう。
山岸風花の影響範囲が半径10kmの円。
先輩は直線距離50kmの直線。
山岸風花をLEDの豆電球と例えるなら、先輩はレーザーポインターといった具合か。
例えるごとにちょっとズレたかもしれないが、そのような感じだ。
先輩の能力は、『発信源』と『受信先』が必要になる。
今回の『発信源』は桐条先輩の用意したバイク型の機械。
そして、『受信先』は俺と真田先輩の通信機。
先輩の能力だと、『受信先』のものから半径200m程度ならなんとなくわかるらしい。
正直、月が明るいため、目視できるのであまり意味はない。
が、死角をなくすのに役に立つし、何より送受信できる距離が長いし電波が乱れることもない。
おそらく、ジャミングが入っても問題ないだろう。
「真田先輩!あっちいきましょう!あっち!」
俺は2時の方向を指し言う。
「よし!次はそっちか!」
原作で真田先輩は大型シャドウに怪我をさせられた。
今回はある程度レベルがあるが、やはり不安だ。
だからあえて真田先輩を大型シャドウと接触させないことにした。
珍しく俺が先行する形で、とにかく走りまわった。
しばらくして、先輩から大型の反応があると聞き、そちらへ向かいながらも決して出会わないルートを選んだ。
大通りに出ることはせず、とにかく入り組んだ道に入りながら、必死に時間をつぶす。
「はぁぁぁ!!」
走りながらも、真田先輩はその勢いを殺さぬまま右でスマッシュをひたすら打っていく。
???シュッ!
???バァァン
後ろから流れるBGMを無視しながら、俺は大型と一定の距離を保ち続ける。
陸上部で鍛えた足は伊達じゃない。
『彩君』
「何?」
『なんか様子がおかし
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