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私のこころ
私のこころ
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り声をかけたのに驚いたのか、一瞬私が誰だかわからなそうな顔をした後、私を思い出したようにして挨拶をかえしました。

「ああ あなたは先日お会いしたお嬢さん ごきげんよう」

「わたしを心待ちにしていたとはどういったご要件でしょう?」

彼は紳士的な振る舞いをしながら答えました。
私はあまりの美しい振る舞いに少し気後れしながらも、自身の考えを言葉に紡ぎました。

「私はあれから神様が何であるのかを考え続けたのですが、私の考えは神は何にも存在するといった結論になりました。」

「・・・ それは何故でしょうか?」

「私にとって神様は人でもありそこに存在する一部に過ぎないのです。」

「私がいくら悩もうと、神はどこにでも存在するのです。 そして人間は困ったことをなんでも神様に押し付ければそれでよいのです。」

彼は私の考えを聞いてよく頭の中で咀嚼し、飲み込んだのでしょう
彼の考えが言葉となって吐き出されます。

「しかし、その困ったことは後に人間に降りかかるのではないのですか?」

「その通りです。 それが人の罪なのです。」

彼は私の考えが読めたのかとても晴れやかな顔になり言いました。

「貴方の考えは、正解の一部なのでしょう。 私の考えと似ているような気もします。
もしかしたら僕たちは似た者同士なのかもしれない」

「似たもの同士ですか・・・?」

「ああ その言葉がとても合うような気がするんだ」

「僕は近々お見合いがあるのだけれど相手の写真は君によく似ていた
僕の相手があなたのようなひとであれば嬉しい」

「あら 珍しいこともありますね 私もお見合いがあるのです
写真はとてもあなたに似ていらっしゃいますわ」

「もしかしたら私たちは神に選ばれたのかもしれません」

「それはとてもロマンティックなことだ それが教会の前なのだから尚のこと」

「そうですわね」

私たちはこの日はあとはたわいもない話をした後に別れましたが、また近々会う約束をしました。

しかし、その日は来ませんでした。
私が家で読書をしているときのことです。
小間使いが父様が呼んでいると言って私を父様の部屋に連れていったのです。

「残念だ 実に残念だ あのお見合い話はなくなってしまった」

父様は私に理由を話してくださいました。

「彼が車に跳ねられて死んでしまったらしい ああ 今度こそ結婚相手が決まったと思ったのに!!」

「・・・」

私は何を言われているのか理解できませんでした。
その日は葬式に連れて行かれて棺を見ましたが、顔も分からぬほど酷い事故だったそうで
その男性の顔には白い布がかぶせてありました。

その二日後 彼との約束のため教会のベンチに向かいました
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