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普通だった少年の憑依&転移転生物語
【ゼロの使い魔】編
029 馬車から出たらラ・ヴァリエール
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る手立てが有るとの事ですが……」

「ええ、件のカトレア嬢のお身体を診てみない限りは判りかねますが、治せる公算は高いかと思います」

「随分と自信が有る様だ。……一体どの様な根拠で私達のカトレアを治せると判断したんだ?」

「アナタ、落ち着いて下さい。……ごめんなさいね、ヒラガ殿」

ヴァリエール公爵が剣呑──とはいかないまでも、少しトゲを含ませた態度で訊いてくる。

(あ、心配なのか)

俺は漸くヴァリエール公爵の瞳の中に有る感情が理解出来た。……一体、どれほどの水メイジに匙を投げられただろうか? ──一体、どれほどの水メイジに期待を寄せたのか? ……それは俺には判らない事だし、心配しているのは公爵だけでは無く、お腹を痛めてカトレア嬢を産んだ公爵夫人もそうだが……

「いえ、大丈夫です。……でも、ヴァリエール公爵がどれだけご息女を心配しているかが判りました。……もちろん公爵夫人にもそれは該当する様ですが」

「むぅ」

「ほぅ」

公爵が唸り、公爵夫人が感心した様な息を漏らす。

「まぁ、確かにポッと出の僕が理由も無しに貴方達の娘さんの不治の病を治療しましょう≠ニか言っても信じられないでしょう。……その為に2人のご息女を治せる根拠の一端を披露しましょう」

「根拠≠ニな?」

幾らか先程よりトゲが取れたヴァリエール公爵は、俺の言葉を鸚鵡返しにする。

「はい。ですが、その為には耳£ラすのと目≠改めさせて貰っても宜しいでしょうか? ……こればっかりは僕の満足でして、決してこのヴァリエール邸の不備を不審に思っている訳ではありません」

「……いいだろう」

ヴァリエール公爵から許可を貰い、この客間の隅々に“ディティクト・マジック”を掛けて、何も無いのを確認すると“サイレント”の魔法を掛ける。

「そこまで重要な事なのかね?」

「ええ。……とりあえず、大前提としておく事があります。それは今から僕が語る事は他言無用という事です」

「もし破ったら?」

「カトレア嬢は治しますよ? ですが、二度とカトレア嬢達≠フ前に僕が姿を現す事は無くなるでしょう。……ルイズ嬢の為にもそんな事はしたく有りませんので、どうかご内密に」

ルイズが俺に向ける気持ちに気付いているであろう二人に言い放つ。……尤も、そんな事──ルイズの前から姿を消すくらいなら、ヴァリエール公爵と公爵夫人には文字通り忘れて*痰、だけだ。

だが、もし≠セ。……もし、このハルケギニアでどんな不治の病を治せる方法──スキルの存在が露見すれば、その後は少し想像すればどうなるかは判る。……最初は持て囃されるだけだろう。だが、その内に魔法でないスキルの存在が証明されたら、それ即ち
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