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久遠の神話
第百九話 戦いが終わりその十三
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「そういうのは暴力なんだよ」
「暴力は振るってはいけないですから」
「そんなのを振るう奴は弱いからな」
 何故弱いのかもだ、中田は話した。
「そういうのを自分より弱い相手に振るうことでしか自分を強いと思えないんならな」
「弱いんですね」
「拳でも言葉でもだよ」
 そのどちらでも、とだ。中田はポテトサラダも食べつつ話した。
「暴力を振るう奴は弱いんだよ」
「弱いから暴力に溺れるってことですか」
「その通りだよ。俺は暴力は持たない」
「絶対に」
「何があってもな。そのうえでな」
「子供達に、ですね」
「将来は教えたいな、剣道を」
 こう笑顔で言うのだった。
「そう考えてるよ」
「いいことですね」
「自分でもそう思うよ、家族も戻ったしな」
 願いは適った、だからこそ余計にだった。
「これからはそうしていきたいな」
「頑張って下さい」
「頑張るぜ、それで今はな」
「飲むのね」
「そうですね」
 智子と豊香が微笑んで言ってきた。
「まず今は」
「そうされますね」
「ああ、飲んで食ってな」
 そうしてだとだ、中田は女神達にも笑顔で答えた。
「英気を養うさ」
「そうしてですね」
「これからも」
 上城と樹里が応える。
「楽しく、ですね」
「剣道も他のことも」
「そうしていくぜ、じゃあ稽古しような」
「はい、今度」
 上城だけだが彼は笑顔で答えた。
「楽しんでしましょう」
「怪我には気をつけてな」
「いや、いいねえ」
 ここでまた言ってきた父だった。
「何か皆成長した、そうしたいい青春の中にあるよ」
「青春って悪い青春もあるんだ」
「青春がいつも素晴らしいとは限らないさ」
 父は我が子、息子にこう告げた。
「過去はいつも最高なものじゃないだろ」
「そう言われると」
 彼も否定出来なかった、自分でも悪い過去は多いからだ。
「僕もね」
「お父さんもだ、だから青春もな」
「悪い青春もあるんだ」
「薔薇色の青春があってもな」
 それでもだというのだ。
「全部が薔薇色じゃないんだよ」
「その薔薇色の中にも悪いものがあったりするんだ」
「ああ、そうだよ」
 それ故にというのだ。
「いい青春もあれば」
「悪い青春もあるんだ」
「そしていい青春の中にもな」
「悪いものがあったりするんだ」
「そうだ」
 我が子にこうも言った、言い切った。
「けれどな」
「お姉ちゃん達の青春はなんだ」
「いいものがかなり多くてな」
「悪いものが相当に少なくて」
「いい青春になっているな」
「そうなんだね」
「いいことだ、じゃあお父さんはな」
 その手にあるワインをだ、今も飲みつつ言った。
「楽しく飲むか」
「お父さん、飲み過ぎは注意してね」
「やれやれ、いい青春
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