第八十一話 寮生活その九
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「一体」
「えっ、部長さんですけれど」
「普通に」
「そうお呼びしていいんですよね、部長さんで」
「そうですよねえ」
「ええ、いいわよ」
宇野先輩は五人に問題ないと答えた、だがだった。
ここでだ、こうも言ったのだった。
「最近あんた達部長も副部長も名前で呼んでないわね」
「そういえば」
「そうよね」
「書記さんもね」
「お名前で呼んでないわよね」
「そうだよな」
五人も言われて気付いた、このことに。
「最初の頃はお名前だったけれど」
「今はね」
「まあ私達二年生も部長って呼んでるけれどね」
宇野先輩自身もだ、実際に今もそう呼んでいる。
「けれど名前で呼んでもいいのよ」
「別にいいんですか」
「そうお呼びしても」
「福園ちゃん、高橋ちゃん、植田ちゃんってね」
部長、副部長、書記の三人の苗字を呼んだ。
「それでもいいのよ」
「ちゃん付けはともかくとしてですね」
「お名前でお呼びしてもいいんですか」
「そう、下の名前でもいいわよ」
こちらも問題ないというのだ。
「紗英ちゃん、美恵子ちゃん、香織ちゃんってね」
「そこもさん付けで」
「そうお呼びしても」
「いいから、あの娘達も別にそれで怒ったりしないから」
「お名前で呼ばれても」
「それでもですね」
「そう、いいから」
だからだというのだ。
「そのことは覚えておいてね」
「わかりました、じゃあ」
「そのことも」
五人も納得した、そしてだった。
その話をしてからだった、五人は充分汗をかいたところで。
一旦サウナルームを出て汗を流してからまた水風呂に入り再びサウナルームに入った、そうしてまた水風呂に入り。
最後は湯舟に入った、そこで宇野先輩はまた五人に言った。
「こうしてね、全力で走った後は」
「身体をほぐすんですね」
「お風呂で」
「そうすれば筋肉痛になってもね」
それでもだというのだ。
「かなりましだから」
「そうなんですね」
「これで」
「お風呂はいいわよ」
実にしみじみとした言葉だった、いささか親父めいてもいるだろうか。
「身体が綺麗になって心がリラックスするだけでなく」
「身体をほぐしてもくれる」
「それがお風呂なんですね」
「シャワーはただ綺麗になるだけよ」
身体が、というのだ。
「気分転換になるかも知れないけれど」
「身体はほぐれない」
「それで心もですね」
「お風呂程にはね」
リラックスしないというのだ。
「少なくとも私はそう思うわ」
「リラックスですか、まずは」
「それですね」
「そうよ、リラックスよ」
それがあってこそ、というのだ。
「まずはね」
「身体もだけれどね」
「だからお風呂はいいんですね」
「シャワーよりも」
「私夏
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