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ハイスクールD×D 〜聖人少女と腐った蛇と一途な赤龍帝〜
第4章 俺の幼馴染とテロ屋さんが修羅場すぎる!
第59話 思いもよらぬ大騒動
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 気がつけば、俺は龍巳と正面で向かい合っていた。

「なんで……分かったんだ?」

 その俺の問いに対し、滅多に表情を変えない龍巳が……微笑んだ。

「我、幼馴染み。このくらい分かる、当然」

 そう言って龍巳は正面から俺に抱きつき、耳元に口を寄せてくる。

「この10年、一番長く一緒に過ごしたの、我」

 ……あぁ、そうか。もう龍巳と出会って、それだけの時間が過ぎたんだよな。それに、一番一緒に過ごした時間が長いのは龍巳だ。何をするにしても、いつも俺たちは一緒だった。意外かもしれないが、父さんや母さん、火織よりも単純な時間は長いんだよ。父さんや母さんは普段朝晩しか顔合わせないし、火織も道場行ったりしてたからな。クラスもほとんど一緒だったし、黒歌姉と白音ちゃんが来るまでそれこそ朝から晩まで一緒にいた。それにそれは今でも続いている。ずっと龍巳の隣にいたのは……俺だ。

「でも龍巳、俺は……」

「ん、知ってる」

「なら分かるだろ。俺は、お前だけを見ることは出来ない。お前だってそんなのは……」

 嫌だろう? と続けようとした言葉は、意外な言葉に遮られた。

「構わない」

「……え?」

 俺はこの時、自分の耳を疑った。

「我も、黒歌お姉ちゃんも、白音も、もちろん知ってる。イッセーにとっての一番、火織お姉ちゃん」

 そう、そうなんだ。これは理屈じゃない。好きだから、自然とそう思っちまうんだ。皆のことを受け入れたとしても、心の何処かでそう思ってしまう自分は絶対にいる。そしてそれが、皆のことを傷つける。

「でも……」

 しかし、その後に続いた龍巳の言葉は俺にとっては意外な、まさに青天の霹靂だった。

「我信じてる。イッセーいつか、全員平等に愛してくれる。皆、一番にしてくれる」

「……え?」

 全員が……一番? そんな風に、思えるもんなのか? いや、例え思えるとしても

「……でも、そんなのいつになるか」

「我慢する」

「我慢って……」

「我、ずっと一人ぼっちだった。それに比べたら、なんてこと無い。皆もいる。一緒に待ってる。イッセーが我らのことも、見てくれるのを」

 それに俺は、もう、この言葉以外告げることが出来なかった。

「……努力するよ。なるべく早く、そうなれるように」

「ん、待ってる」

 龍巳は、どれだけの想いを込めて決心したんだろう。龍巳は俺のことなんでもお見通しなのに、俺には龍巳の気持ちが、その強い決意が、どれだけのものか想像もつかなかった。

 ……俺も、覚悟を決めよう。今すぐには無理でも、それでも、いつか必ずそうあれるよう、努力しよう。

 と、そこで龍巳が耳元で囁いた。

「でも我慢、やっぱり辛い。だ
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