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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第4話『何もかもが例外の少年「……別に、怒ってるわけじゃないのに」』
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04話
──ミーミー──ジージー──
開け放たれた窓から聞こえてくる蝉の声。
チリーン……
時折、風鈴の音も混じってくる。
その中で、硬直しつづける一組の少年少女。
少女──白井雪姫は、両手を頭の上にあげた格好のまま動かない。
赤い顔をして唇を引き結んだまま、じっと少年の顔を見上げている。
雪姫は熱くなる顔を自覚しながらも、どこか冷静に今の自分を不思議がっていた。
押し倒されて、胸を掴まれて──なのに、不思議と嫌悪感はない。
──カワイく思えるコだけど、それでも男のコ相手なのに……何でこのヒトだけは平気なのかなぁ……?
雪姫は鼓動を強くしながらも、自分のよくわからない心のままに、じっと計佑の顔を見上げ続けていた。
─────────────────────────────────
──なんでじっとしてるんだろうこのヒト……
まさかの事態に、本来真っ先にやるべきことを放置してぼんやりと考える計佑。
──押し倒すような形で、胸まで掴んでるんだぞ? 跳ね除けて、ビンタして、痴漢ーって叫ぶのが……普通じゃね?
計佑の指先は、雪姫の胸の上部に直に食い込んでいた。
──前回は服越しだったけど……今回は直接か……
下心ではなく、好奇心に押される形で指先に力を入れてしまった。
──むにゅり。
「んっ……」
雪姫から押し殺された声がもれた。
その瞬間、ようやく少年にまともな思考回路が戻った。
──はっっ!!??
「ごッ、ごめんなさいッッッ!!!」
前回はお互いに横倒しで、まだ服の上からだった。
今回は押し倒した格好で、しかも指先はじかに──
あまりの状況に脳が沸騰しそうになって、慌てて手をどける。
──そこで、開いたままのドアから、ひょいと医師らしき男性が顔を見せた。
「白井先生ー……え?」
その医師が目の前の光景に一瞬固まると、
<b>「なッ…… 何をやってるんだ君たちは!!! 」 </b>
<i>「い゛やっ、あのっ!!」</I>
思わず声が裏返ってしまう。
前回は第三者がいなかった事でまだどうにかなったが、今回はそこまで上手くはいかなかったようだ。
雪姫が、男からは顔を逸らすように身体を起こす。
男は部屋に入ってくると、計佑の肩をつかみ部屋から引っ張りだした。
「ごっ誤解なんですっ!!」
そんな一言で誤魔化せるとは思えないが、とりあえずそう口にするしかない。
「先生の部屋でこんな真似──何を考えてるんだ」
「なに何??」
騒ぎに、何人かの人間まで集まってくる。
「多分……いたそうとしてたみたい」
「ええっ、こんなところでっ!? 」
どんどん拙くなる状況に、計佑が更に青ざめた。
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