暁 〜小説投稿サイト〜
白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第3話『病院での再会、「この人苦手だ……!!」』
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それは、他の男子のと違って微笑ましく感じるのだ。

──プール用に持ってきてた水鉄砲でこんなに面白いモノが見れることになるなんて……このイタズラは大成功だったみたいね。

コントのように、本の山に突っ込んでからの埋もれる姿は本当に愉快だったが、
その後に涙目で振り返ってきたあの顔には──ゾクリときた。

──私が、今こんな顔をさせてるんだ……この男の子に……

初めて会った時には飄々とした態度で接してきた彼が、
今は自分を強烈に意識しているのだと思うと、なぜか嬉しい。
自分の一挙手一投足が彼にそうさせているのだ、そう思うとゾクリとした満足感すらあった。

──ホントに……この男のコの、何がそんなに刺さるのかなぁ……

充実感と、ちょっぴりの困惑を胸に、雪姫はそばにあった机に寄りかかった。

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「たった今味わっただろうけど、ちょっと触っただけでも崩れるだろうから気をつけてね」
そう言いながら雪姫が寄りかかった机の本が、早速ぐらついた。

──それはこっちのセリフっ!!

注意する間もなく一気に崩れて、雪姫の傍をかすめる本の山。
「ひゃっ!!」
雪姫がビクリと身体をすくめて距離をとろうとするが、その先でまた別の本の山に身体をぶつけていた。
今度は彼女の真後ろから崩れてきそうな──
「危ないっ!!!」
今度は注意の声と、同時に身体も動いた。
雪姫に向かってダッシュしようとした瞬間──
足元に散らばった本。ダッシュには向かないスリッパ。
それらの連携攻撃で計佑は、またつんのめってしまった。

──おわあああぁぁ!!

ギリギリバランスをとって、
半ばかがんでいた雪姫に覆いかぶさるように倒れこむ事には成功した。
バサバサと本が崩れ落ちてくるが、どうにか全て、自分の身体で受け止めることは出来たようだ。
分厚い物もあったりで、なかなか痛かったのだが。
「っつつ……大丈夫ですかせんぱ──」
閉じていた目を開き、声をかけたところで、少年が硬直した。

「ちょっと──」
雪姫が、赤い顔をして計佑を見つめている。
「やっぱりキミは──」
困ったように、眉を八の字にしてもいる。
「……ワザとやってるよね……?」
──計佑に押し倒される形で、胸を鷲掴みにされた雪姫がそこにいた。


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<第3話のあとがき>

3話と4話は、雪姫の計佑への気持ちがある程度固まる大事な話。
なので、雪姫の心理描写とか頑張ってみたつもりです。

植物園にいったシーンはばっさりカットです。続くまくらとのシーンもぎゅっと短縮……

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