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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第3話『病院での再会、「この人苦手だ……!!」』
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「ちょっと俺用事あるから」
そう告げて由希子と別れた計佑は、前回話を聞いた老医師の元へと行くつもりだった。
前回話を聞いた部屋には不在で、今は「先生の個室にいらっしゃると思うわよ」と教えられた部屋へ向かっていた。
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──お見舞いでもない……のかしら……?
少年は病室に向かう訳でもなく、脳外科診察室へ向かったと思ったらすぐにまた出てきた。
何とか見つからずにやり過ごせたが、
──うーん……別に隠れる必要はなかったんだけど。
しかし、後を追う内になんだかイタズラ心が出てきてしまったのだ。
ただ声をかけるだけじゃ面白くない。
一昨日の別れ際に彼が見せてくれた狼狽ぶりを思い出すと、なんだかまたあんな反応が見たくなってしまったのだった。
──いきなり『ワッ』じゃ普通すぎるし……病院の廊下でやるのもちょっとね。
周りに迷惑をかけないようにってなると、一人になるのを待つしかないんだけど……
病院でそれは難しいかなぁと思いつつも、何かいい脅かし方はないかと計佑の尾行を続ける雪姫だった。
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「失礼しま──」
「おおお!! ちょうどいいところにきた」
──は??
計佑が教えられた個室にたどり着き、開けっ放しのドアから挨拶をすると、目当ての老医師が計佑に向かって駆け寄ってきた。
「戸締まりを頼もうと思っとったんじゃ。急にアメリカ行きが決まってのう! なに2週間はかからんと思うから……ほれ鍵っ!!」
カートを引いてる老医師が放り投げてきた鍵を、つい受け取ってしまった。
「いやっ、ちょっと先生に聞きたいことがあって来ただけなんですけどっ」
「時間がないんじゃっ! 論文でわからないところがあるならここの資料を使ってもよいからの。その代わり期日は守る様にっ!!」
研修生か何かと間違ってる様子だ。
──俺まだ高1なんだけど……そんなんにも気付かないって、ホントに名医なのかよ……
改めてこの老医師に胡乱な気持ちを抱くが、
「だから違いますって──」という計佑の言葉を無視して
「タクシー、タクシーは来とるかー!」
老医師は怒鳴りながら走り去ってしまった。
──ええー……
ぽつねんと取り残されてしまった。
「なんだよ……あのじーさまは……」
悪態が口をつくのも無理はなかった。
──くそっ……何かしらヒントくらいはって期待してたのに。
ぐるりと部屋を見渡す。
机やテーブルがいくつもあったが、そのあちこちにうず高く本が積まれている。
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