第四章 炎
第1話 灼爛殲鬼(カマエル)
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士道は狂三に拘束されていた。
十香も折紙も上条を抱きかかえている真那も。
折紙に至っては軽傷では済まない怪我をしている。
この状況を打破できる人物などいなかった。
はずだった。
いきなり現れた3人を見上げた。
琴里、佐天、そして一方通行。
琴里が士道の前に立ち、一方通行と佐天が折紙、十香、真那、上条を安全な場所へと避難させる。
狂三「邪魔をしないでいただけませんこと?せっかくいいところでしたのに」
琴里「悪いけど、そういうわけにはいかないわね。あなたは少しやりすぎたわ」
狂三「上等ですわ。一瞬で食らいつくして……差し上げましてよォ!」
狂三が喉を震わせる。瞬間、屋上を埋め尽くしていた狂三の分身体が空高く跳躍して琴里に迫った。
一方「フン!」
横から、その分身体に白い刃が突き刺さった。
避難を佐天にまかせて、琴里に応戦したようだ。
狂三の7割程度が倒れたが、当たらなかった残り3割の狂三は琴里に迫る。
琴里「ーーふん」
琴里は鬱陶しげに鼻をならすと担いでいた戦斧をゆっくりと持ち上げ、
琴里「……〈灼爛殲鬼〉」
狂三の大群が目の前に迫った瞬間、琴里は静かに言葉を発し、炎の戦斧を凄まじい勢いで前方に振り抜いた。
振り抜いた瞬間、琴里に迫っていた無数の狂三が宙に踊った。
そして、地面に落ちる前に燃え尽きた。
狂三「ひひ、ひひひひひ……ッ!やるじゃありませんの」
狂三が眉を撥ね上げ、くちびる。端を歪める。
狂三「でェもォ、まさかこれで終わりだなんて思ってませんわよねぇ?」
と言って、狂三が巨大な文字盤の前で2丁の銃を構える。
士道「琴里、一方通行、気をつけろ、あれは……!」
狂三「〈刻々帝〉ーー【七の弾 (ザイン)】!」
狂三が〈刻々帝〉の『Z』から影が飛び出し、銃口に吸い込まれていった。
それを琴里と一方通行が打ち落とそうとするが、【七の弾】には関係ない。
その弾は触れた瞬間に……
狂三「ふふ、あはははははッ!」
狂三の笑い声とともに琴里と一方通行の身体が動かなくなった。
どんな力を持っていても止めてしまえば意味がない。
無数の狂三が一斉にじゅうを構え、動きを止めている琴里に引き金を引いた。
士道「やめーー」
士道の制止もが間に合うはずもない。
琴里に痛々しい銃痕が刻まれる。
狂三「次はあなたですわよ」
狂三は一方通行に狙いを定めた。そして引き金を引く。
それと同時に、
狂三の頬を何かが切った。
狂三「な……ッ!?」
士道「まさか……反射が効いてる?」
一方通行は時間を止められようと、今
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