第四章 炎
第1話 灼爛殲鬼(カマエル)
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はチョーカーのスイッチをONにしているのだ。
今は反射がある。
狂三「仕方がありませんわね。彼の対処はまた後でやりましょう。それではごきげんよう」
最後に狂三が琴里の目の前に立ち、引き金を引いた。
次の瞬間、琴里の身体が動きを取り戻す。
琴里「……ッ!」
琴里の全身に刻まれた傷から、一斉に血が噴き出し、琴里は仰向けに倒れた。
一方「……は?」
一方通行は今何が起こったか分からなかった。
ただ言えることは1つだけ。琴里が夥しい量の血を出して倒れた、ということ。
狂三「うふふ、ふふふふっ、ああ、あとは貴方と、十香さん達を避難させている彼女だけですわ。無情ですわ。無常ですわ」
一方「………ほォ」
一方通行は狂三の言葉にも冷静だった。
その理由は1つ。
″知っていた″からだ。
琴里の″力″を
狂三「こ、れは……」
しかし狂三の漏らした声にそれをついやめてしまう。
それは琴里の身体に刻まれた銃痕から焔が噴き出し、傷跡が一切なくなっている光景だった。
琴里「まったく。派手にやってくれたわね」
踵を支点にするように、ぐん、と琴里が不自然極まる動作で身を起こす。
琴里「私としては、あなたが恐れ戦いて戦意をなくしてくれるのがベストなのだけれど」
狂三「ふん、戯れないでくださいまし……ッ!」
狂三が身を反らし、銃口を背後に向ける。すると狂三の左眼の時計がくるくると高速回転し、〈刻々帝〉の『T』の文字盤に吸い込まれていった。
狂三「【一の弾 (アレフ)】……ッ!」
狂三は自らに銃口を押し当て、引き金を引いた。
琴里「チッ!」
琴里はめんどくさそうに舌打ちをすると、左足を後方にブンと振り、士道の脇腹を蹴った。
士道「ぐえ……っ!?」
士道は後方に蹴り飛ばされる。士道は背中と後頭部で地面を擦ってなんとか停止したのち、頭をさすりながら身を起こして声を上げた。
士道「な、何すんーー」
だが、非難の言葉を最後まで吐くことはなかった。
恐ろしい速度を得た何人もの狂三たちが琴里と一方通行を囲うように飛び回る。
一方「フン……ッ!」
琴里「切り裂けーー〈灼爛殲鬼〉ッ!」
その瞬間、
狂三の分身は焔の刃と光の刃に貫かれた。
狂三「一体ーー何なんですの……あなた達はァッ!」
すぐに短銃を掲げ、叫ぶ。
狂三「〈刻々帝〉、【四の弾 (ダレット)】!」
同時、〈刻々帝〉の『W』の文字盤から狂三の握る影が放たれる。
そして狂三が自らこめかみに銃口を当てて引き金を引くと、まるで時間を巻き戻すように狂三の身体から傷が消えていった。
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