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Ball Driver
第四話 熱湯甲子園
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心な一年生達は慌てて目を逸らした。

「…………おーい、お前ら。こいつ、下にちゃんと服着てるぞー。」

しばらく目を伏せっぱなしにして、いつまでそうしていたら分からない様子だった一年生達に、哲也が言った。その言葉通り、紅緒はバスタオルの下に半袖シャツと短パンを着込んでいた。
紅緒は一年生男子のその反応に大いに満足したようで、実に得意げな顔をしていた。

「どう?裸じゃなくて残念?品田紅緒様の大人のお色気は、あんた達にはまだ早いかなぁ〜」
「何が大人のお色気だよ。胸が無くてケツだけプリッとした、文字通りロリ体形の癖に」

権城が実に呆れた声を出した。
ちなみに、まだ全裸で床のタイルに這いつくばったままである。実に滑稽な体勢である。

「お前、バカにする割には、たった一人だけ目を逸らそうとしなかったな。」
「いやだって、見せてくれるもんなら、見たいじゃないっすか裸。例えロリ体形だろうと。」
「…………」

譲二の問いに言いたい放題の権城。
紅緒の眉がピクピクと震え始める。
他の一年生達は、その怒りを感じ取って鳥肌を立てた。

「哲也」
「うい?」
「やっちゃいな」
「ほい」

頷いた哲也が再び蛇口を捻ると、勢い良く、シャワーヘッドから熱湯が吹き出す。

「あちちちちちち!ヤバい!これヤバいって!死ぬ死ぬ!!」
「ふん!」

タイルの上で転げ回り、ナニを振りかざす権城に背を向けて、紅緒は不機嫌そうに鼻を鳴らして行ってしまった。
この少女はロリだのチビだの言われるのが嫌いなのである。全くもって、それは事実なのだが。








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