マクロスF
0684話
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見る。
「どうしたの? ああ、なる程。アクセルもチョコバナナ味を食べてみたいんでしょ? はい、1口食べてもいいわよ。その代わり、そっちのクレープも頂戴」
「いやまぁ、俺は構わないが……」
そもそも間接キス云々といった事で恥ずかしがる年齢でも無いしな。
そう思いつつ、差し出されたチョコバナナのクレープを食べ、チョコとバナナと生クリームの濃厚な味の三重奏に驚きつつも、俺の持っているクレープを差し出す。
「あら、思っていたよりも酸味が強くてさっぱりしてるわね。こっちもこっちでいい感じだけど」
「お客さん、イチャつくんならここじゃなくて他の場所でやってくれませんかね? 営業妨害もいいところなんですが」
クレープ屋の店主がそう告げてくるが、その顔に浮かんでいるのは言葉通りに迷惑そうな顔ではなく、ニヤニヤとしたどこか面白がっている笑みだ。
「イチャつくって……こんな年下の子供相手に、そんな訳ないじゃない。でもまぁ、確かに……」
周囲を見回したシェリーは、視線を集めているのに気が付いたのだろう。小さく肩を竦めて残っていたクレープに齧り付きながら、俺の手を引っ張って歩き出す。
「確かにここで話してたら邪魔になるわね。ほら、行くわよアクセル。今日という時間は今この時だけのものなんだから。思う存分に楽しみましょ」
「そうだな。どうせ付き合うんなら、楽しんだ方が得か。で、次はどこに行く?」
「そうね。どこかお薦めの場所ってある?」
クレープを頬張りつつ尋ねてくるシェリーに、俺もまた最後の1口を食べ終えて首を捻る。
そもそも、ギリアムと出回った程度しかフロンティア船団内は出歩いていない。当然お薦めの場所なんかがある訳もなく。
そこまで考え、ふと数日前にミハエルがクランにアイランド3に連れて行かれたとか言っていた事を思い出す。
確かアイランド3は環境艦であり、その中身は農業プラント艦らしい。つまりは、フロンティア船団内の食料を数多く生産している場所だ。同時に、美しい自然環境を維持しており、南国風の島とかもあって観光用としても人気だとか何とか。
「アイランド3に行ってみるか? ここからだとちょっと時間が掛かるけど、人気のスポットらしいぞ」
その言葉に一瞬嬉しそうな雰囲気を発したシェリーだったが、やがてすぐに溜息を吐きながら小さく首を振る。
「残念だけど今日はこの艦の中だけでお願いするわ。グレ……えっと、付き添いの人に出掛けるのは何とか許可を貰ったんだけど、この艦の中だけって約束だったから」
「……へぇ」
付き添いねぇ。そんなのが付いているとなると、どこかのお嬢様か何かか? まさかこの年齢で――サングラスと帽子でしっかりと確認は出来ないが――企業の社長とか……あぁ、いや。ルカがL
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