マクロスF
0684話
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る甘い匂い。
「うわっ、凄いわよ。ちょっとちょっと。アクセル。これこれ!」
「いやまぁ、確かに甘い匂いが周囲に広がってるけど……そこまで騒ぐようなものか?」
普通に暮らしていれば、どこででもクレープ屋なんて見つけられるだろうに。
「あ、その、ちょっとね。あたしはフロンティア船団に来たばかりだからめずらしいのよ」
「ん? 他の船団にはクレープ屋とか無いのか?」
「船団によるわね。それよりもアクセルは珍しがっていないみたいだけど、やっぱりフロンティア船団だと普通なの?」
……あー、どうだったか。俺の感覚で言えばネギま世界を始めとして普通にクレープ屋はあるものだとばかり思ってたんだが。実はフロンティア船団とかでも珍しかったりするのか?
そんな風にどうシェリーの質問に答えようか迷っていたところ、ちょうどいいとばかりにクレープ屋の店主から声を掛けられる。
「はい、チョコバナナとベリーベリーベリーのスペシャルお待ち」
さすがと言うべきか、あっという間に完成したクレープが包み紙ごと手渡される。
「へぇ、こうして見ると凄く美味しそうよね」
「へっへっへ。姉ちゃん、甘く見て貰っちゃ困るな。美味しそうじゃなくて、美味しいんだよ」
ニヤリとした笑みを浮かべて告げる店主に、シェリーもまた不敵な笑みを浮かべながらクレープを受け取る。
「へぇ、あたしの舌を満足させられるんなら、このお店を贔屓にしてあげてもいいわよ」
そう告げ、焼きたてのクレープを口に運ぶシェリー。その様子を横目に見ながら、俺も渡されたクレープへを口へと運ぶ。
まず最初に感じたのが、クレープ生地の柔らかな噛み応え。そのすぐ後に生クリームの甘さが来て、次の瞬間にはベリー系の酸味が甘さを和らげる。
……うん、言うだけあって美味いな。
にしても、ベリー系とは言っても俺の知ってるベリー系じゃないんだろうな。恐らくはフロンティア船団で独自に改良されている種類か。
まぁ、俺の知っているベリー系と言っても苺、ブルーベリー、クランベリー、ラズベリーくらいしか無いんだが。
「……なるほど。確かに言うだけの事はあるわね。チョコレートも苦みの強い物を使っているから、それが生クリームのアクセントになってるし、バナナも自然な甘さなのに、十分に自己主張してるわね」
「へへっ、どうだい? お嬢ちゃんの贔屓になれるレベルかな?」
「そうね、この味には十分に満足出来たわ。また来る事もあるでしょうけど、その時はよろしくね」
「まいどあり」
何でシェリーはこうも先天的に偉そうなんだろうな。
いや、俺が人の事は言えないってのは分かってるんだが。
手元にあるクレープを食べながらどこか呆れた様にシェリーを見ていると、不意にシェリーがこっちを
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