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トワノクウ
トワノクウ
第三十夜 冬ざれ木立(二)
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ぇ……っ」

 気づけばくうは背中を丸めて嗚咽していた。

 痛いよ。体中痛い。誰か止めて、誰か助けて。

(朽葉さん……露草さん……梵天さん……菖蒲先生……)

 目の前にはくうに理不尽な殺意を向ける真朱しかいない。真朱は無慈悲に二枚目の符を投げる準備をしている。
 また自分自身の炎に焼かれれば、死ななくても気が狂ってしまう。

(もういっそ殺して。死ぬなら今この瞬間がいい!)

 符が飛んでくる。影に貼りつき、再び炎の宴が始まる。
 くうは体を丸めてきつく目を閉じた。



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