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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第2話『 (……雪姫先輩の出番がありません……) 』
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の話では、『まくらが植物園で倒れていた……』『眠っていて起きないから救急車で運ばれた』 ──だったよな?」
「うん……確かにそんな流れだったよ。 私も横で聞いてたから間違いないよ」
ブカブカのパジャマの袖をパタパタさせながら、まくらが答える。
「いやいやちがうだろっ! その話を本人がなんで横できいてるかを聞きたいんだよっ!!
じゃあ次の質問だっ。なんでお前いきなり植物園なんかいったんだ? ……それもそんな格好でっ」
まくらは一瞬固まったが、
「……え? 知らないよ? 植物園のことも覚えてない……だってなんか、気がついたらひまわり畑で寝てたから」
「……じゃあ、バラの傷ってのは?」
「……知らない」
「じゃあなんで『死んじゃったのかなぁ』なんて思った!?」
声を荒げる計佑に、まくらがビクリとして。
「それは……」
しばらく言い淀んだが、
「そう……そう思ったから、としか……ただそんな感じがしたから、つい……」
俯いて、カーテンの向こう側へと移動してしまった。
「おい……ふざけてる状況じゃないんだぞ。それじゃ何もわかんねーんだよ……」
ふわりと浮かんだまくらが、カーテンレールの上から顔をちょこんとのぞかせる。
「お前……本当にまくらか?」
胡乱げな目で見られ、まくらが慌てた様子で上半身を乗り出してみせる。
「なっなにいってんのっ! 計佑が忘れてる子供の頃の話だって、さっきしてみせたじゃないっ」
垂れ下がった袖で、ペシペシとカーテンレールをたたきながらのその姿は、可愛らしくはあるが──
「オレが忘れてる話で、本人証明なんか成り立つかっ」
──ってツッコミ入れてる場合かっ。漫才やってられる状況なんかじゃねーだろ俺……!!
深呼吸をして、
「……よくあるパターンとして。いや実際あるかは知らんけど……ともかく!!
お前が生き霊とか抜け出た魂とかみたいなやつだとしたって、こんなに幸せそうにムニャムニャ寝言までほざかれたんじゃあさぁ……」
その言葉に、パジャマなまくらの顔がさーっと青ざめる。
「私……やっぱりお化けなの……」
あわあわとし始めるまくら。
「いやだって……オレ以外の人間は、全然浮いてるお前みえてねーし。 ていうか、そもそも人間は浮かねーし……」
そして二人共黙りこんでしまった。
何を言えばいいのか、何をどうすれば──
「ちょっと……頭冷やそうぜ」
─────────────────────────────────
それから、二人は海へときていた。
計佑は砂浜に座り込み、波の打ち付ける音を聞きながら物思いにふけっている。
──何もわかんねーし……全然わかんねーよ。
ただ寝てるだけ……確かに顔色いいし、いつものまくらの寝姿どおりだった。
まくらは、
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